13Dead『敵』
5人は麻百舌小学校の中に入りアンジェリスを探し始めた。
玄関に入るとそこは血で汚れていた。
「酷い、血まみれじゃない」
とレベッカは少し青ざめた。
望は
「いや……そりゃそうだろ……こんな状態でここだけ無事な方がビビるわ」
とツッコむ。
アレックスはそれを聞いて
「ブフウ!! そりゃそうだ!」
と吹いた。
それを見て3人の女性陣が
「そういうことを言ったんじゃないんだけど?」
「笑うとか……」
「酷い状態を酷いと言って何がいけないの?」
と睨まれながら悪態をつかれた。
望は
「俺は笑ってませんが?」
「おい!! 俺だけの責任にする気か!」
と言い合っていた。
レベッカは
「はあ、でもそうね、覚悟してたことを今さら言っても仕方ないわ、とにかくアンジェリスを探しましょう、生きているのなら助けるのが任務だし」
と言って気持ちを切り替えてみんなとなかへ入って行く。
そして中へ入っていくうちに見えてくる。
どれだけの子供や教師が逃げていたかと言う血の跡や引きずられていたのか廊下にある引っ掻いたような傷とそこに残った爪らしきもの、そしてガラスが異様な形で割れている光景が広がったいる。
「こんな状況を見ているとアンジェリスが生きているかが不安になるな」
「でも死んでいるとしても死体を見るまでは信じないわ、助ける側が信じないでどうするの」
とアレックスの言葉にレベッカははっきりと言った。
アレックスは
「そうだな、お前の言う通りだ」
と言って納得する。
進んで行くと道が二つに分かれていた。
望はレベッカに
「なあ、これって皆で集まって探すの? 別れた方が効率よくね?」
「え? そんなことして君たちは大丈夫なの?」
と望の言葉にレベッカは疑問に思った。
その言葉に望は
「どうせ長い時間ここにいても別れて探すのと同じくらい危険があるだろ? 一緒に探してアンジェリスの死んでしまう可能性を上げるか分かれて探して可能性を下げるかは結構左右されそうなきがするし……どうする?」
と聞いた望は
(なーんてな、俺は自分がゾンビ化する可能性を上げるために今このことを伝えた。お前らが一緒だと会うゾンビみんな殺されそうだしな、それに俺が言っていることも事実のあはずだ、こういう時こそ人間は効率を上げた方が危険性が減ると思うだろ……多分、だが問題はこの二人だ、こいつらは俺が役に立たないことを知っている、そうなるとこの手は使えないと言われかねん)
と考えていた。
すると和子と剣子は
「そうしましょう! 別れた方が良いと思う!」
「ああ、私たちもここに来たのは助けるためだ、覚悟は出来ているよ、だが希咲はいいのか? お前が一番弱いから死ぬ可能性が高いぞ?」
と剣子は望に確認をした。
望は
(来た!! だが! これは試されている! ここで伝えることを間違えればバカを見る!! 慎重に言うんだ!!)
と考えて
「まあ確かに迷惑を掛けるだろうけど、俺がレベッカさんやアレックスさんと一緒にいた方が迷惑を掛けるかもしれない、こういう任務をこなす時こそ俺は一緒にいない方が良いんじゃないのかな?」
と言った。
すると和子は
「確かに、あの時も大変だったし、君が何をするか分からない以上レベッカさんやアレックスさんに迷惑を掛けるかもしれない、しかも今はアンジェリスちゃんを探している、それに迷惑を掛けて間に合わなかったってことはさすがに避けた方が良いだろうし……別れよう! 希咲君は私たちが見張った上でアンジェリスちゃんを探すから!」
と言った。
それを聞いて
「いや、別にそこまで酷くは思ってないけど……まあいいわ、2人は強いし和子も銃の狙いは凄いから正直大丈夫だけど、私たちが彼を見た方が良いんじゃ?」
と2人に確認すると
「さっきで分かったんで、慣れないと彼はしんどいですよ? 私は二回目なので大丈夫です」
「うん、そう言えばさっきの車では大変だった……」
と疲れたように言った。
そして
「取り敢えず俺たちは3階から調べて降りて行って2階で待ち合わせる感じでいいんじゃないですか? この先階段があるのが見えますし」
「そうなの? 私たちが3階でもいいけど?」
「3階の方が階段だからゾンビが多いとは思わないからそっちで」
(多分上の方が多そうな気がする、だって一回に職員室なかったし……)
と考えて望は3階に向かうことを宣言した。
それを聞いてレベッカは
「分かったわ、じゃあ、別れて探すけど気を付けてね」
と言って2人は別の方向へと進んだ。
(ふむ、なんか上手くいった……このままゾンビになる可能性は上がった)
と思い和子と剣子と一緒に歩いていると和子が望の方を見て
「変なことだけはしないでね?」
と釘を刺された。
望は
「お、おう」
と言って返事だけはした。
そして、廊下を進んで行くと見えていた階段が有りそのまま3階に上って行った。
そして、近くの壁に隠れた。
すると
「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛」
と声がしてきた。
ゾンビの声だ
(来た!!)
「!! ゾンビ!!」
「シッ! 静かに」
と言って和子に言った。
「どこにいる……」
と周りを見渡すと望が
「あれじゃない?」
と言って一緒に隠れながら指を指す。
すると廊下の方からゾンビたちが並んで階段を降りて行く。
すると剣子は
「何か妙だ……」
と言って眉間にしわを寄せた。
和子もその言葉を聞いて何かに気づいたようだ。
「確かに、今までのゾンビは周りをウロウロして噛みつく相手を探してたけど……どうしてここのゾンビたちはどうして……何か目的でもあるのかな?」
と疑問に思っていた。
それを聞いて
(取り敢えずこの会話に乗じてゾンビになれるようにしたいんだが……変なことするなと言われてもゾンビになるにはどうしても変なことしないといけない! 糞! 糞! だがやるっきゃない!!)
と思い少し動いて覚悟を決める。
「ちょっと聞いてくるわ」
「「うん」」
2人はいきなりのことで普通に返事をしてしまった。
その瞬間に望は走って行った。
「!!」
「! ええ!!」
2人は望が言っていたことが分かったがすぐには止めることが出来ずその場で慌てていた。
そして、望はゾンビの元へと走って行った。
そして、
「なあ、いったいどこへ向かってるんだ?」
「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛」
「聞いてる?」
「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛」
望の質問に当然ゾンビは答えなかった。
(いいぞ、このままイライラするふりをして……結構無茶なことを言って来たけどあの二人もなかなかビックリして来れてないぞ!)
と思い
「おい聞いてるのか!!」
「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛」
「おい!!」
と言って
(今だ!! 押せ!!! そうすれば流石にゾンビも噛むだろ!!)
と考えてゾンビを突き飛ばそうとした。
だが、
バン!!
「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛」
そのまま本当にゾンビを押してしまった。
「……」
「お前何やってるのおおおお!!」
「バカなんですか!! バカなんですか!!」
そう言って2人は望を引っ張って
「うおお!!」
と言ってそのまま引っ張られた。
「あのねえ!! 変なことしないでって言わなかった!!」
と和子は怒った。
望は言い訳のように
「いや違うんだよ、他のゾンビと違うから話せるのかなあって……」
「ア゛ア゛ア゛ア゛って言ってたでしょ!! 確かに他のゾンビと違うかもだけどもう少し考えてから行動してよ!!」
「……」
和子は望に言い聞かせていると剣子が
「和子……その辺にしておけ、今のは正直危なかったが良かった行動だったのかもしれない」
と言ってゾンビの方を見ていた。
「え?」
と言って和子もゾンビのいた方向へ目を向けると
そこにはドミノ倒しのように倒れて頭から血を流していた。
「うおおお!! 何かいっぱい死んでる!!」
と驚いていた。
すると
「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛」
と他のゾンビが後から来たが
「ア゛ア゛ !!」
ドスウ!!
と倒れているゾンビに躓いてそのまま倒れて頭を壁にぶつけて動かなくなった。
他のゾンビたちも同じように躓いて死んでいく。
まるで出てくるたびに殺されるのが運命のように意味もなく進んで行くのであった。
「ああ、なんか……うん、スゴイね」
と言って和子は少し呆れながら言った。
望は
「うん、まあ、運が良かったのかな」
「そうか」
とそんな和やかな話をしていた。
そして、剣子は
「とにかく、進もう、ずっとゾンビがこうしているかは知らないが今の内だ」
と言って2人に声を掛けて進むことにした。
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アレックスとレベッカは3人と別れてアンジェリスを探している。
「どこにいるかしら?」
「隠れているかもしれないから隠れられそうな場所を注意して見て行こう」
と言ってロッカーなどや教卓の下などを探していた。
するとアレックスは背筋の凍るような感覚に襲われた。
(!! 誰かに見られている!! 何だ!!)
と思い周りを見渡した。
そしてキラッとした光るものが見えた。
その光を見た瞬間恐怖が体全身に流れ込んだ。
そして、アレックスは
「レベッカ!!」
と言ってそのまま押し倒した。
「!! 何!! どうしたの!」
パアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!
と発砲音がした。
それを聞いてレベッカは
「銃声!! どこから!」
「いやあ、バレるとは思わなかったんだが……まあアレックスだったらその可能性はあるか……」
と言って1人の男が出て来た。
その男は少し筋肉質だが少し優しい顔をしたセーターの上にスーツを着ていた男だった。
アレックスはその男には見覚えがなかった。
「誰だ貴様」
と睨みながら声を掛ける。
その男は
「まあ俺のことはレベッカにでも聞いておけ、正直知らない方が驚きだがな、私は君のことは知っている。資料で読んでいるからね」
と言って笑っていた。
その男は拳銃を回しながらポケットにしまった。
「まあ、いくらでも君たちを殺すことなんていくらでも方法はあるから銃は効率が悪いが」
と言ってボタンの様なものを取り出した。
「あなた……それは……」
「レベッカ君、君は知らないだろうがこれはゾンビに特殊な電波を送って命令を加えることが出来るボタンを開発してね我々の目的の兵器として扱いやすくなったと思わないか? 君たちには消えてもらう、それだけだ、まさか君たちがここに訪れるとは思わなかったがな」
と言って笑ったいた。
それを聞いてレベッカは
「どういうこと?」
と確認すると
「何だ? 情報でも掴んでここに来たんだと思ったが違うのか?」
と言って問いかけて来た。
それを聞いてレベッカは
「情報って?」
「ここにアンジェリスがいるってことだよ」
と言って冷たい表情で言った。
レベッカは
「ここに! アンジェリスが!」
と言ってビックリしていた。
それを聞いて男は
「へえ! たまたまここに来たのか! まあいいさ、死んでもらうことには変わりない、実験台の手伝いぐらいにはなってくれよ!!」
と言ってボタンを
ポチ!
と押した。
すると近くにいたゾンビたちが一斉に集まってきた。
「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛」
「うう!!」
「これは!! まずいかもしれない!! あいつらと別れたのは正解だったかもな!」
と言って銃を構えて
パンパンパン!
と連続でアレックスは撃った。
その銃弾は正確にゾンビたちの頭を撃ち抜いた。
「へえ、やるね、だがいつまで続くかな?」
と言って男はにやにやと笑っていた。
近くにいたゾンビは一通り殺すことが出来たが
「ほらほら! 湧いてくるぞ!! 全員相手に出来るかな? 弾数は足りるかな!」
と言って笑っていた。
アレックスは
「糞!! あいつは何なんだ!!」
と悪態をつくとレベッカは
パンパン!
と撃ちながら
「あいつの名前はベルゲザズ・レイビンよ! あの男が最初にジョリザズ博士を唆した男よ!!」
と言って睨みつけた。
「おいおい、有効活用したと言ってくれ」
と言って笑っていた。
そして
「あの男は頭が良いが治療だけのために使っていた。それだけじゃ私たちは世界を取れない、征服できない、誰もが私たちにレイビン家に服従する世界は来ない、我々の進行のためにな!」
と言った。
それを聞いてレベッカは
「あなたのせいでどれだけの日本人が死んだと思っているの!」
と怒ったが
「知らんな、モルモット如きの命なんて数えないだろ?」
と言って笑っていた。
すると何か違和感に気が付いた。
ゾンビの数が減っていった。
「おかしい、何故……ゾンビの数がおかしいぞ」
とベルゲザズは思った。
望が押したせいでゾンビはループのように階段から落ちていることに気づいていなかった。
そして、近くにいたゾンビたちが倒されて
「糞! そうして来ないんだ!!」
と言って文句を言っていた。
レベッカは
「それ? 不良品なんじゃないの?」
と言って笑い返した。
それを見てベルゲザズは
「糞が……電波が届いてないのか? まあいい、他にも手段はあると言ったろ? 俺だ、例の奴を出せ」
と連絡してボタンを押した。
すると
「ぐおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおん!」
と声がして突如クリーチャー型のゾンビが押し寄せてきた。
「!! このクリーチャーって!」
「作った人工ゾンビだ、このボタンを押した者を守るんだ! ハハハハハハ」
「ぐあおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおん!!」
と声を上げながらクリーチャー型のゾンビは2人を襲う。
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