12Dead『おかしくなった人間』

車に乗って次の目的地を決めていた。




「あの? アレックスさん? 博士の娘さんってアンジェリスさんでしたっけ? その子って学校に通ってるんですよね?」


「俺に聞かれても、レベッカが知ってるんじゃないのか?」




と言ってレベッカに振った。




「そうね、確か11歳だったわ」




と言って年齢走っているようだった。


和子は




「だったらその子小学生だよ! 12歳が小学生は6年生だから5年生ぐらいかな? 小学生が妥当だと思うよ!」


「それにアレックスさんが来た学校は高校だから絶対にいないよ、私たちを見てすぐに切り上げたんだろうけど……」




と言って剣子も話し始めた。


それを聞いてアレックスは




「まあ無駄じゃなかったさ、君たちの方がここの地理に詳しいだろうし」


「てか住所聞いてんの?」


「住所って言うより東京都この市の名前しか聞いてないからどこの小学校かを知らないのよ」




と望の質問にレベッカは答えると




「おいおいおい、親がどうして小学校の名前も知らないんだよ、漢字読めないとか? 助けたい割には適当だな……」




と言って呆れていた。


そして、望は




「まあ教えるのはいいけど俺らの学校の皆みたいにゾンビ化してる可能性も考えた方が良いんじゃねえの? 最悪の事態も予測して行動したほうが良いじゃないの? こういう事態にこそ……」




と言った。


アレックスも




「フッ不安にさせるなよ! まあそうだな、でもその可能性も考えた方がその後の行動もスムーズに行うことが出来るだろうし」




と考える。


そしてレベッカも




「確かに不安になるけどこんな状況でこの子が言っていることも確かだわ……不安だからと言って考えないのは良くないわ……不安だからこそそのことを考えて正しい道を選べるようにしたわね、ありがとう……希咲君」




とお礼を言われた。


望は




「うん? ああ……うん」




と言って




(……俺的にはこのまま口車に乗せて言ってゾンビ化の道を示せるようにしたいんだが……難しそうだな……)




と少しガッカリしていた。


そして、次に望は




(とはいえ、このままだと車に乗ったままだ、それはさすがにゾンビになる可能性が低すぎる。まずはこの車から降りる展開を作らないとゾンビ化するチャンスも減る、いつかわ降りると思うが出来るだけ自分から協力してその行動を早めよう)




と思い




「まあ近くの小学校って言ったらあさ百舌もず小学校だろ? とにかく小学校であるところを見ていった方が良いだろ? どこのいるか分からない以上そうやってシラミ潰していくしか方法はないだろうし」




と言って次の目的地を望は示した。




「この地図のここにあるんだけど分かる?」




と言って近くに置いてあった自分たちの住んでいる場所の地図のところにボールペンで書き込む。


それを見て和子も




「ああ! 確かにこの近くに小学校あるね! 30分ぐらいかかるけど……一番近いのはここしかないしね」




と言って和子も納得した。


剣子は




「さっきまでボーッとしてたけど結構テキパキと済ますなお前……急にどうした?」




と不審がったが




「まあ助けてもらってるし出来ることはね、さっきも迷惑を掛けてしまったから」




というそれっぽいことを言って




(まあ本音はさっさとゾンビ化したいと言う理由なんだが……)




と考えていた。


そして、地図の通り交差点を右に曲がり道路をまっすぐ進んで行くと


その道路で大量の人たちが血を流して死んでいた。


その中には炎に包まれたのか焼き尽くされた死体もあった。


レベッカは




「酷い有様ね……でもゾンビだけでここまでの状況になるかしら? この爆発の後何て明らかにおかしいし……」




と言っていると前の方にショットガンと爆弾のような武器を片手にしている派手なスーツを着て、下はジーパンを履いた人たちがいた。




「!! 何だあいつら!!」




とアレックスも流石にビビっていた。


あんな物を投げられて車に当たれば全滅する可能性もあるからだ、


だからと言って車から降りればショットガンで撃ち殺される可能性もある


すると男たちはこちらに気づいたのか殺気立った目になっていた。


それを見て和子は




「何で!! ゾンビ何ていないのに!」




と真っ青になっていた。


望は




「そりゃこんな状況で気が変にならない方が珍しいと思うぞ……」




と和子をツッコんだ。




ぽよん……




と手で叩いた場所が和子の胸だった。




「……はあ」




とため息をついて望の顔面を




バシン!!




と引っ叩いた。




「痛たあ」




と頬を抑えていた。


そして






「とっとにかくどこかに掴まれええ!!」




と言ってショットガンを撃って来たり手榴弾を投げてくる。




「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」




キイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!




そんな中アレックスはハンドルを切って避ける。


だが




『ははははは!!』




と笑いながら男は車に突っ込んできた。




「嘘だろ!!」




そして避けようとするが




『ふん!!』




と車の横のミラーを掴んで車に貼りついていた。


そして




『フン! フン!!』




ガン!! ガン!!




と取り出したナイフでガラスを割ろうとしていた。




「あいつ、このガラスを割っては車を奪うつもりか……」




と呆れていた。


レベッカも




「車のガラスをナイフで割るなんて無理に決まってるじゃない」




と見ているが止めようとせず刃先が




パキン




と折れても未だにナイフで殴っていた。


それを見て




「取り敢えずどこかでふるい落とすしかないようだ……」




と言っていると




「あれっくず……ざん」




と望が話しかけてきた。


アレックスは




「どうした?」




と聞くと




「きもじわるい……まどあげでいい?」




と言って手で口を抑えていた。


アレックスは




「ば!! 何でこんな時に車酔い!! 止めて!! 今は開けないで!! 窓に変な人が貼りついているから!! 止めて!!」




と必死になって止めた。


レベッカは




「もしかしてさっきハンドルを切って酔ったんじゃ! 結構な揺れだったし」




と言って心配していた。


望はパワーウィンドウに触れていて、今にも窓を開けそうにしていた。


それを見て




「やっ止めろ!! お願いだから!!」




と言って止める。


和子は




「ほおおら! 反対側ならいないから反対側開けようか?」




と言って望を自分の隣に座らせて窓を開けようとしたが、




「なんかいる!!」




隣にも変な人が貼りついていた。




「おいおい!! 何だこれは! 両サイドに変な人が貼りついてるって!! おかしいだろうが!!」




とアレックスも流石に引いていた。


そして、流石に望も限界なのか




「ぶり……ぶり……」




と言って唾を垂らしながら口を手で押さえている。




「やっやばい!! フッ袋!! 袋あった!!」




と探しているとポケットに少し大きめの袋があった。




「良かった!! 後で捨てようとしてたコンビニの袋があって!!」




と言ってポケットに合った袋を取り出して




「ここに吐いて!」




と言って袋を望に渡した。


望は




「うええええ……うええええ」




と嘔吐して唾を吐きだしていたが、なかなか吐瀉物は出していなかった。




「うっぷ……ゲエエエエエエ!!」




とようやく胃の中の物を吐き出すことが出来た。




「うわ! 臭!!」




和子は一番近くでゲロの臭いが鼻に当たる。


だが、それだけでは済まなかった。




「うおおお!! 車にゲロの臭いがあああ!! 充満してるぞお!!」


「鼻もげそう!!」


「お前……いったい何喰ったらそんな臭いさせるんだ!!」




と言われる望


だが望は




「ふー! スッキリ」




と一人で勝手にスッキリしていた。




「糞おおお!! 窓には変な奴がくっついているし、車内はゲロの臭いが!! どっちも地獄じゃねえか!!」




と言って運転をしていた。


すると近くに電柱があり




「また曲がるぞ!!」




とアレックスが言い




キイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!




と音が鳴りながら横に揺れる。




「うお!」




そして




ドン!!




と電柱に男が当たりそのまま男はミラーから手を離した。


そして




「今だ!! 窓開けてそれ捨てろ!!」




という言葉に和子はすぐさまパワーウィンドーを押して窓を開け、


袋を捨てた。


すると窓から




「があ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」




と悲鳴がして和子は窓を覗くと先ほど貼りついていた人の顔面に袋が被さりゲロが思いっきりかかった上にその臭いのせいでもがいていた。




「うわあああ……」




と和子はさすがに気の毒そうに見ていた。


アレックスは




「どうした!」




と聞いた。


和子は




「希咲君のゲロの入った袋がさっきの人の顔面に被さった」




というとアレックスは




「自業自得だ!!」




と言った。


そして、もう片方の男の方の近くにも電柱が見つかり




「また曲がるぞ!!」




と言って




キイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!




と曲がり男を落す。




「フー、ようやく何とかなったな」




と言って一安心するアレックス


レベッカも




「お疲れ様、ありがとう」




とお礼を言った。


和子も剣子も




「本当にご苦労様」


「さすがです、アレックスさん」




と喜ぶ。


アレックスもそれを聞いて




「お……おう」




と照れた。


そして、望は




「アレックスさん……」




と声を掛けた。


アレックスは




「どうした?」




と優しく声を掛けると




「気持ち悪い、吐きそう」


「また酔ったのか!!」




と先ほどの急カーブで望はまた酔った。


仕方なさそうに




「すまないな、取り敢えず窓を開けていいぞ」




と言ってその言葉に望は




「ありがとうッス」




と言いながら手で口を押えながらパワーウィンドウで窓を少し開けた。


すると




ドン!!




「「「「!!」」」」




と望以外が驚いた。


すると窓が開いた隙間を見るとそこには手があった。




「落とせると思うなよおおおおお! この車は俺が頂くぜええええ!!」




と言う声がした。


窓の隙間の指に力を入れて徐々に顔が見えるとさっきサイドミラーに掴まっていた変な人だった。




「うあああ!! 気持ち悪!」




アレックスがドン引いた。


すると望は




「ふー! 少し風浴びたら落ち着いたので閉めますね」




と言って男に気づかずにパワーウィンドウのボタンを押して窓を閉める


そのせいで変な人が指で必死に掛けていた指が挟まり




「ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」




と悲鳴を上げる。




「うおお!! 誰!! この人!!」




とビビりながらボタンを押したままだった。


そのせいで




ギギギギギギ 


ブチイ!!!




とそのまま指が挟まったままだったせいで指が千切れて中に入り血で座席が濡れた。




「うおおお!! 変な人の指入ってきた!」




それを見たみんなは




「あ……ああ」


「そっそうだな……まあ気にするな……お前は悪くない、あいつが掴まってたのが悪いんだから」


「そっそうだよ!! 自業自得だから気にしないで!!」


「まあこれからは気を付けて注意を払えばいいさ……今回はあの人が悪いからいいけど……」




と言って許してもらった。


望は




「すいません」




と言って取り敢えず謝った。




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「着いたか……」




と言って麻百舌小学校に到着する。


そして、アレックスは




「ありがとう、君たちのおかげでここまで着けた……」




と言ってお礼を言った。


それを聞いて望は




「いや、まだ生きてるって分かってない以上急いだ方が良いのでは?」




と聞いた。


望にとっては




(早く小学校入ろうぜ、ゾンビが絶対外よりわんさかるだろ? 小学生って結構いると思うし、1クラスが多いし……)




と考えていた。


だが和子と剣子はそれを聞いて




「そうだね、アンジェリスちゃんがまだ生きてるかもしれないなら早めに行動した方が良いしね」


「助けられる命は助けた方が良いだろうしな、こんなところだと怖いだろうし誰かが一緒になった方が安心するだろう」




と言った。


レベッカは




「君たちはどうする?」




と聞いてきた。


それを聞いて望は




「どうするって? 具体的に質問してくれる? 何言ってるのか分からない」




と言って聞き返した。


レベッカは




「いや、君たちは外で待っておくか聞いたの……中は外以上に危険かもしれないわよ?」




と聞いた。


すると和子は




「そんな! 放っておけないよ!! ここまで来たら手伝わせてよ! 助けてもらったお礼と思ってよ!!」


「そうだな、私たちはあそこで死んでいたかもしれないしな、手伝わせてくれ」


「しかし」




とレベッカは迷っていた。


その言葉を聞いて




(まずい! このままだと大人の権限で外で待つはめになるかもしれない! それはつまりゾンビに噛まれる可能性が少なくなるかもしれない! どうにかしなくては……そうだ!)




思いついた望は




「だったら、この国で生きるのは大変そうだしその子を助けるのを手伝って亡命させてもらうのはどう? この国がそうなった以上生き残れる可能性は少ないだろうし!」




と言って助けるやる気を見せた。


それを聞いたアレックスは




「なるほど、確かにお前の提案はもっともだ、でも他の世界でも実験してたら意味がないぞ?」




と言われると望は負けずに




「だが生き残れる可能性はあるんだろ! どっちにしろ可能性が少ないのならあんたらと一緒に戦った方がよっぽどましだ!」




と言って熱いことを言った。


それを聞いた和子と剣子も




「そうだよ! お世話になった人と一緒に戦いたいんだよ!」


「子供だけど出来ることをさせてくれ!」




と言った。


レベッカとアレックスは




「ありがとう」


「すまないな、お願いする」




と言って一緒に入ることにした。

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