あとがき

あとがき

ここまでお読み下さりありがとうございます。まず初めに、この作品は虐待を助長するものではありません。これに関してはこの場を借りてはっきりと伝えておきます。


本作のテーマにもなった児童虐待は現実に起こりうるものです。遊喜くん、葉子ちゃん、龍斗くん、由貴ちゃん、奏くん、遥ちゃん。彼らは現実にもいるかもしれない子供達の一人です。

児童相談所を含め、子供達を助けようと多くの方々が頑張っていらっしゃいます。それぞれの立場で、子供たちを救うために出来る限りのことをされています。それをお伝え出来れば幸いです。

執筆中、様々なことがありました。一番大きいのは児童虐待防止法の改定でしょう。「親による体罰禁止」が明記されたのは、ちょうど奏くんのエピソードを書いている時でした。

この変化が少しでも虐待の減少に役立ちますように。一人でも多くの子供が幸せになりますように。それを願うばかりです。


子供は宝です、天使です。虐待はあってはなりません。テレビで流れてくる虐待のニュースに何度も涙して、ある日思い立ちました。

「虐待の物語を紡ぐことでその悲惨さを伝えよう。虐待は良くないということを私なりに発信しよう」

これが、この「翼をもがれた天使達」を執筆したきっかけです。

どの子供達も基本的には「一時保護」止まりにしました。その後の彼らが幸せになるかどうかは皆さんのご想像にお任せしたかった。これが理由の一つですが、もう一つ理由があります。

残念ながら、保護された子供全てが幸せになれるとは限りません。一時保護の後に親御さんの元へ返される子、親と暮らしたいのに離れ離れにされる子、保護施設での暮らしを窮屈に思う子。様々な結末があります。

子供達は保護されたから終わりではありません。これをこの場でお伝えしたかった。


虐待は決して許されることではありません。

一人でも多くの子供が救われますように、平和で暮らせますように。


以上です。

あとがきまでお読み下さりありがとうございました。


紫衣彪牙

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

翼をもがれた天使達 暁烏雫月 @ciel2121

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ