概要
その炎は、ある日突然、少年のすべてを奪い去っていった
エザフォス王国。森の民の少年レアンは、ある日、狩りの途中に立ち寄った湖で、地の精の少女と出会う。その夜、少年の集落が何者かに襲撃される。母を救うべく炎に巻かれる集落へ、少女と共に乗り込むも、すんでのところで母は襲撃者の前に倒れる。命からがら集落を逃げ出すことができたレアンは、復讐を誓い旅に出る……。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!いつの間にか引き込まれる、風情豊かなファンタジー!
この物語では、自然に存在する精霊たちと、その世界に暮らす人間たちを描いた物語です。
主人公の少年レアンは、とある惨劇により故郷を失い、惨劇を引き起こした存在への仇討ちを志すべく立ち上がりました。
もとは心優しい少年だった彼が、悲壮な決意のもと立ち上がる――――王道とはいえ、とても見ごたえがあります。
そして、大地に暮らす精霊たちと心を交わし、ともに歩む存在として契約します。
時に彼らに助けられ、時に彼らを助け、協力関係を築いていくうちに、いつしか少年レアンは大きな運命の渦へと身をゆだねることになるのです。
しっかりとした文体で読みやすいうえに、穏やかな場面も激しい場面もあり、どんどん引…続きを読む - ★★★ Excellent!!!精霊と人、異なる世界の住人たちとの絆
主人公レアンの住む村が、人工精霊のサラマンダーによって焼き払われた。そして、レアンは地の精霊のプリムラと共に旅に出る‥‥。
このような導入で始まる『精霊の騎士』は、ゲームのような派手な魔法による戦いというものはなく、超常の力として精霊の存在があります。精霊よる恩恵を受けての生活や戦いなどの描写を活かす物語の世界の設定の緻密さを楽しめる作品です。森の民の暮らし、病を治すための病気レアンの母の精霊の儀式、メルビス帝国、エザフォス国ら多くの国々の対立や、戦争の為の人工精霊の開発等、人々の生活や政治の全てに精霊が関わっていることが分かります。超常の力を使う理由や方法がストーリーの軸となっているので…続きを読む