概要
因果の天秤に、均衡を――全員、狂気。こんな世界、続ける価値もねーだろ。
運命というものがあるのなら、それは、多数の枝を持つ大樹のような姿をしているに違いない。
何かの本で、そんなふうに読んだ。
一つの枝があった。
額に朱い胞珠を頂く理仁《りひと》は、異国の地で最愛の姉を喪い、荒廃した日本に帰国した。
みんな死んでいく。
作り物みたいにキレイな生首。動く死体に群がられて爆散する少女。全身の関節がぐちゃぐちゃになった亡骸。
終わっちまえよ。滅んじまえよ。
そしてまた、一つの枝があった。
朱雀のチカラを宿す朱い宝珠、朱獣珠の預かり手である理仁は、異国の地で事態の急変を察知し、心強い味方である姉とともに帰国した。
相応の代償を差し出すならば、どんな願いでも叶える宝珠、四獣珠。
そのチカラを巡る因縁の戦いに、理仁が決着をつけるときが来る。
因果の天秤に、均衡を―
何かの本で、そんなふうに読んだ。
一つの枝があった。
額に朱い胞珠を頂く理仁《りひと》は、異国の地で最愛の姉を喪い、荒廃した日本に帰国した。
みんな死んでいく。
作り物みたいにキレイな生首。動く死体に群がられて爆散する少女。全身の関節がぐちゃぐちゃになった亡骸。
終わっちまえよ。滅んじまえよ。
そしてまた、一つの枝があった。
朱雀のチカラを宿す朱い宝珠、朱獣珠の預かり手である理仁は、異国の地で事態の急変を察知し、心強い味方である姉とともに帰国した。
相応の代償を差し出すならば、どんな願いでも叶える宝珠、四獣珠。
そのチカラを巡る因縁の戦いに、理仁が決着をつけるときが来る。
因果の天秤に、均衡を―
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!愛する者のいない世界に、生きる価値はあるか?
〈運命の一枝〉シリーズ
今回の主人公は理仁(りひと)、額に大型の朱い「胞珠」を持ち、他人を意のままに操る「号令(コマンド)」の異能を持っている。この世界では、人々は産まれながら「胞珠」を体に埋めて産まれて来るのだ。胞珠が破砕すると、そこは「ダンジョン」となる。
理仁は、最愛の姉を喪い、留学先のフランスから帰国した。支配的な父に対抗し、姉を殺した敵に復讐するためにーー。
シリーズを通して拝読しているので、世界設定にも登場人物たちの性格にも馴染んできたのですが……今作の前半は、辛かったです。理仁君の一人称が軽薄で投げ槍なだけに、さらに痛々しく感じました。仲間たちも辛い……文徳君も、鈴蘭ちゃん…続きを読む