我が王よ

鴻国は王都、清朗。
その少し外れに位置する王宮、宵黎宮は現在、国の復興のために奮起していた──。

かつて勃発した内乱、存滅の乱は、国に王は必要か否かを問うための争いだった。長きに渡って続いた乱は存王派の勝利に終わったが、肝心の王は身罷り、敗北したはずの滅王派の望んだ国となりつつあった。内乱の最中に民に預けたとされている太子の行方は知れず、その生死も定かではない。

太尉の任を剥奪された悠玄は、丞相の命に従い、訳ありの部下を連れて太子探しの旅に出る。