カントウの怪談

　ホラーの短編集だが、読んでみるとこれまでのホラーとはちょっと違う。
　読者の意図しないまま、いつの間にか怪異が主人公たちの実生活の中に、紛れ込んでいるのだ。そして、ラストに主人公たちの現実が、怪異と地続きだったことが判明し、そこで納得する。納得して、背筋が凍るのはその後だ。ここまで時間差でやって来る不気味さを、小生は知らなかった。
　ホラーと聞くと、主人公がいた場所とは全く別の場所で怪異が起こったり、主人公自体が怪異だったり、何かの狭間だったり、伝奇的だったりする。しかし、この小説は、どこまでも現実的だ。例えばドライブ中の車の中。例えば何気なく乗り込んだバスの中。それぞれの主人公たちは、そ…続きを読む

邦画のような、リアリティのある作品です。
淡々とした語り口と、飾り気のないシンプルな文体が、余計にミステリアスな雰囲気を倍増させます。

一番すばらしいのは、その読了後の余韻でしょう。

特にホラーの作品には、首の後ろに潜んだ魔物から首をしめられたような、独特の感覚がありますよね。
ですがこの作品は、全身をとてつもない余韻で包まれます。もちろんホラーです。怖いです。

とてつもない余韻とともに、ずるずると引き込まれてくせになるホラー、ぜひご一読ください。

ネットで物語を読むのは初めてでした。短編ならではの　あとに残る「それからどうなったの？」がありますが　答えをかいてしまったら　この小説の摩訶不思議な部分はなくなってしまうのかも。
非常に読みやすい、すぐに物語の中に引きずり込まれます。でも　あともうすこし～～の所で　終わっています。
これからにきたいしております。