概要
婚活パーティーに参加した小百合は、そこで知り合った男性と結婚を前提にした交際を始める――が、一ヶ月後のバレンタインデーに酷い振られ方をする。
現実の世界に絶望し何の希望も見出せなくなった小百合は、心の底から「新たな世界」の到来を願う。
すると、そんな声が聞えたかのように、彼女の前に一人の男性が現れる――。
バレンタインデーのある出来事をきっかけに小百合の新たなストーリーが始まる。それは、雪の東京を舞台にした、ちょっぴり不思議で、ちょっぴり切ない恋物語。
よろしければ、目を通してみてください。
※三万文字ぐらいの中編です。「夏なのに冬の話?」と
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!今回もタイトルにやられました!
作者さまの作品の特徴の一つに、人間ドラマの部分がどんなシチュエーションであってもしっかりと描かれている点があります。
本作品もその点は顕著に表れていて、リアリティの中にファンタジー的な展開が描かれるのですが、その反面的な世界の中で、雪が温かく感じるという人間ドラマを描かれたことは、驚きと同時に静かな感動に胸が震えます。
本作品のポイントは、まさに変化球です。序盤からラストまで気が抜けないほど、ラストの変化球に向けて仕掛けが施されてます。なので、ラストは時間を作って一気に読むのがベストだと思います。
じんわりとした温かさに包まれたい方には特にオススメです。内容は万人向けですので、安心して…続きを読む - ★★★ Excellent!!!雪のように儚く、美しく、心に静かに降り積もる出会いがここにあります。
自分が何かを願うと、誰かが必ず不幸になる。
そんな呪いのような過去の経験を抱えて幸せを願うことを諦めていた小百合。
ようやく手に入れかけた妥協とも言うべきささやかな幸せすらも逃してしまい、自暴自棄になってしまった彼女は記憶をなくすほど泥酔してしまいます。
けれどもそこで出会った声も面影も忘れてしまった彼が、小百合の人生を大きく変えるきっかけを作ってくれるのです。
作者様らしいあっと驚く出会いの真相に、ちょっぴりサイエンスな味付けをしたファンタジーが差し込まれているのも個性の光る展開です。
メールのやり取りで少女のように恋心を募らせていく小百合さんが、幸せになりたいとどんどん前向きになってい…続きを読む - ★★★ Excellent!!!儚いけれど、温かな余韻がいつまでも残る物語。
物語の主人公、小百合は、なぜか幸せがうまく訪れない苦い経験ばかり続く女性。
そんな彼女を、再び幸福の絶頂から突き落とすような出来事が。自暴自棄になってしこたま酒を飲み、嘆き悲しむ彼女に、胸のときめくような新しい出会いが訪れます。
彼女の悲しみを掬い上げ、幸せを届けようとする彼。そして、酩酊状態だったためにその顔すら思い出せず、メールだけで彼と繋がる小百合。
今度こそ、自分に幸せが巡ってくる。彼と二人で幸せになりたい。そんな彼女の強い想いが招く結末とは——。
募る想いを実らせたいと願う、小百合の一途で真っ直ぐな想い。そして、それを叶えたいと力を尽くす彼の想いが、強く胸を打ちます。
小百合…続きを読む - ★★★ Excellent!!!どん底で出会った彼
観月小百合、彼女は昔から薄幸だった。
運動会で一番になりたいと願えば、一番になった代わりに他の子が怪我をする。難関の高校に入学できたと思ったら、入学式の日に母が事故に遭う。
幸せがやって来たかと思えば、それを帳消しにするような不幸が必ず近くで起きる。世界は自分の事を祝福していない。ずっとそう思って生きてきた。
そして迎えた三十歳のバレンタインデー。その日小百合は、付き合っていた男にあっさり捨てられてしまう。
不幸です。同情せずにはいられません。
しかしヤケになって酒に溺れたバレンタインの次の日、小百合のスマホに「ウォンス」という見知らぬ人物からメールが届いた。調べてみると、酔っぱらった小百…続きを読む