わたしは紗子と同い歳です。そして、紗子ほどではありませんが、潔癖症です。日常生活に支障が出るほどではないですが、どうしても夜の行為が不潔に感じて受け付けられません。高校時代お付き合いしていた方とはそれが理由でお別れし、それ以来なんだか恋することが億劫で、このままひとりで生きていくんだろうなと漠然と考えていました。そんなときにこの作品を読み、ああ恋がしたいなと心の底から甘酸っぱくなりました。私にもいつかこの人だったら良いという人が現れるかもしれないですね。この気持ちを大切に生きようと思えました。まずは、素敵な作品に出逢えて幸せです。たくさんのときめきをもらえました。
アパートたまゆら。この魅力的なタイトルに惹かれない人がいるでしょうか。
極度の潔癖症で他者と触れ合えず、恋もうまくできない女の子。アパートたまゆらに住まうことで閉じられた人生が変化し、外界へ開けていく様が目の前に広がって、可愛らしい煌めきのある作品でした。
ああ、本当の初恋はここにある。全ての読者の恋を誘う甘くてほろ苦い、けれども甘い幸せの味。
キュートでコミカルな描写は微笑ましく、ときおり差し込まれる効果音の巧みな使い方も光っています。
限られた登場人物を上手に収めて、気持ちのいい読後感を与えてくれました。
多くの人は読み終わって感じるはずです。
「私もきゅんとする恋がしたいなあ」
「アパートたまゆらに住みたいなあ」
『炭酸水と犬』のようなヘビーな作品とは裏腹にこのようなコミカルタッチの、しかし骨組みのしっかりした作品を書くことのできる懐の深さが今後も楽しみでなりません。
とても面白かった! ありがとうございます!!
いや、まあ、兎に角面白かったですよ。有り難う。と、お礼が言いたくなる小説でした。
この小説が私を心から楽しませてくれた訳は、安心して読むことができたからだと思います。
他の人も書いているように、まず文体、文章がしっかりしていて読みやすい。
表現力が豊かなので行間の文字でない文字が浮かんでくる。
読者に、人には好きな相手ができるという、誰でもが持つ感情のドキドキと切なさ、嬉しさ悲しさ、葛藤に共感を覚えさせつつ、解決の為には何が要るか、どうすれば良いかをちゃんと教えてくれてから物語を前に進める主人公の生き様は、言うなれば、恋人同士に生じた誤解やトラブルを解決するための一つの手段、或いは方法を教えてくれる、恋愛の指導書と言えるのではないでしょうか。
未だ、恋知り染める前の女性達は、この小説に登場する男性像によって、男の思考と感情について学ぶことができるだろうし、(男はセックスだけがしたくて、愛だ恋だと騒ぐ奴が多すぎるとか)男は紳士である事や気遣いについて学び、女性が持つ見栄や感情の複雑なネジレについて、キャパシティが必要なこと、価値観の見いだし方についても知ることができます。
恋愛で生じた問題にはリスクを覚悟で立ち向かう勇気を持つことが、未来のために最も正しい選択肢に導くというメッセージが込められている小説だと思いました。
蛇足ですが――作者のウィットに富んだ表現力の一環である『致死量』は秀逸で『もはや、ときめきが致死量だ。週末まで無事に生きられるのだろうか。』に頭を射貫かれて笑い、呆けてしまいました。こんなものが随所に転がっているので最後まで読むのはとても大変でしたが、読後感は本当に〇っ〇〇しました。
Twitterでどなたかがお勧めしていたので、リンクを開いてみました。Twitterで開いていたのですが、一度画面を閉じたらサイトがなくなってしまって必死で探してなんとか見つけました。
わざわざ…と思うかもしれませんが、そうしたくなるほどにたったの数ページ読んだだけで惹き込まれる何かがありました。言葉の選び方なのか、登場人物の心情に対する共感なのか。とにかく夢中で読みました。主人公の女性の一喜一憂に、自分も舞い上がり、悶え、少し泣きました。
普段ならわざわざレビューを書くタイプでもないのですが、少しでも多くの人に是非読んでほしいと思い、読み終わってすぐに書き始めていました。
こんなにも恋する不安と、期待と、喜びと切なさ、辛さを文章化できることに驚きました。2人の距離感の詰め方も勘違いや嫉妬も、わざとらしくなく自然で、すっと心の中に入ってくるストーリーでした。
カクヨムは使ったことがなかったのですが、Twitterで気になって登録して読みました。
noteで作者さんの短編を読んだことがあり、その
時も文章力、表現力に驚かされたのですが、長編でもその筆力はゆらぐことはありませんでした。
これを無料で読むことのできる凄さ。
同じ恋愛小説を書く作家として、作者さんの才能が眩しく、打ちのめされました。
すごいのはそういう部分だけではありません。登場人物がたくさんいるのに、誰もがみんなリアルで本当にどこかに生きていそうなんです。
ごっちゃになったり、押し付けがましかったり、イメージが湧かなかったり、そんなことが一切ない。そしてみんなに背景や物語がちゃんとある。
ただただ素晴らしい。
主人公と琴引さんの恋愛にはドキドキしっぱなしでした。
途中、本当に焦ったかったし胸が締め付けられるくらいに切なくて。
まるで自分がさこちゃんのお友達にでもなったかのような気分で最後まで見守らせていただきました。
読後感もまた素晴らしかったです。
素敵な作品をありがとうございました。
息子達が10万円がきたら二代目のswitchを買おうと画策している…というツイートから来ました。
最初っから最後まで読み込んじゃいました!とてもとても面白かったです!!
面白い…?っていうのでしょうか、興味深いというのでしょうか、続きがすごく気になって読まずにはいられないという感じでした。日本語って難しい。
人間って面白いですよね、相手のことを考えすぎて億劫になってしまったり、はたまたその相手はそんなことを考えていたり、考えていなかったり。読んでいて、身近にあり得るような不思議な縁の上に人間関係が繰り広げられていてまるでその場にいるかのようにその場その場の雰囲気や気まずさが手にとるように伝わってきました。
木南さんと琴引さんの関係性が隣人から始まるというのがとても好きです。普段配慮はするけれど、あまり気にせずに生きている、隣に住んでいる人。そんな運命があったら…なんて夢も抱いてしまいました( ᐛ )
私は今年受験生の学生なんですが私の生活には使い道のみえないような現代文単語を覚えるというものがこの春休みに課されました。国語が私にとって一番の課題がある科目なので頑張って覚えました、それでも。
この小説を読んでいて何個かそのような単語が出てきました。覚えていたので理解ができて感動しました。そのために国語の勉強があるんだなって思えたので。わからないものは調べました。やっぱり意味がわかってから読むとより理解ができていいなぁと思いました。同時に国語の勉強頑張ろうと思いました。
琴引さんみたいに文章力はなくても私の言葉で私の気持ちを伝えられるくらいには書けるようになろうと思えました。
自分語りも混ざってしまいましたがどうしてもそういう心持ちになれたということを伝えたかったのです。長文を失礼しました。
最後に、素敵な作品を読むことができて幸せです!ありがとうございます。