アパートたまゆら【部分公開】

作者 砂村かいり

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★★★ Excellent!!!

わたしは紗子と同い歳です。そして、紗子ほどではありませんが、潔癖症です。日常生活に支障が出るほどではないですが、どうしても夜の行為が不潔に感じて受け付けられません。高校時代お付き合いしていた方とはそれが理由でお別れし、それ以来なんだか恋することが億劫で、このままひとりで生きていくんだろうなと漠然と考えていました。そんなときにこの作品を読み、ああ恋がしたいなと心の底から甘酸っぱくなりました。私にもいつかこの人だったら良いという人が現れるかもしれないですね。この気持ちを大切に生きようと思えました。まずは、素敵な作品に出逢えて幸せです。たくさんのときめきをもらえました。

★★★ Excellent!!!

とにかく素晴らしい。ふたりがくっつくまで身悶えしながら読みました。付き合ったあとの危機(びっくり!)もありながらハッピーエンド。伏線回収がすごいです。
脇役の皆さんも魅力的。あの女性はちょっとかわいそうだな、と思っていた方も思いがけない方と!!。
書籍化で知り、一気読み、してしまいました。

★★★ Excellent!!!

潔癖を理由に、恋愛から遠ざかっていた主人公は、新しく引っ越してきた隣人に、直感的な恋をします。過去の恋人、友人関係、気持ちが伝わらないもどかしさなど、些細な障壁に幾たびかぶつかる中で紗子と琴引が迎えるラストとは…


繊細な心情の描写に、胸のときめきと温もりが詰み込まれています。
いつまでも余韻に浸っていたい、運命的な恋がしたい、と思えるような本当に素敵な作品です。出会えてよかった、何度も読み直します…♡

★★★ Excellent!!!

アパートたまゆら。この魅力的なタイトルに惹かれない人がいるでしょうか。
極度の潔癖症で他者と触れ合えず、恋もうまくできない女の子。アパートたまゆらに住まうことで閉じられた人生が変化し、外界へ開けていく様が目の前に広がって、可愛らしい煌めきのある作品でした。
ああ、本当の初恋はここにある。全ての読者の恋を誘う甘くてほろ苦い、けれども甘い幸せの味。

キュートでコミカルな描写は微笑ましく、ときおり差し込まれる効果音の巧みな使い方も光っています。
限られた登場人物を上手に収めて、気持ちのいい読後感を与えてくれました。
多くの人は読み終わって感じるはずです。
「私もきゅんとする恋がしたいなあ」
「アパートたまゆらに住みたいなあ」

『炭酸水と犬』のようなヘビーな作品とは裏腹にこのようなコミカルタッチの、しかし骨組みのしっかりした作品を書くことのできる懐の深さが今後も楽しみでなりません。
とても面白かった! ありがとうございます!!

★★★ Excellent!!!

 いや、まあ、兎に角面白かったですよ。有り難う。と、お礼が言いたくなる小説でした。

 この小説が私を心から楽しませてくれた訳は、安心して読むことができたからだと思います。

 他の人も書いているように、まず文体、文章がしっかりしていて読みやすい。
 表現力が豊かなので行間の文字でない文字が浮かんでくる。

 読者に、人には好きな相手ができるという、誰でもが持つ感情のドキドキと切なさ、嬉しさ悲しさ、葛藤に共感を覚えさせつつ、解決の為には何が要るか、どうすれば良いかをちゃんと教えてくれてから物語を前に進める主人公の生き様は、言うなれば、恋人同士に生じた誤解やトラブルを解決するための一つの手段、或いは方法を教えてくれる、恋愛の指導書と言えるのではないでしょうか。

 未だ、恋知り染める前の女性達は、この小説に登場する男性像によって、男の思考と感情について学ぶことができるだろうし、(男はセックスだけがしたくて、愛だ恋だと騒ぐ奴が多すぎるとか)男は紳士である事や気遣いについて学び、女性が持つ見栄や感情の複雑なネジレについて、キャパシティが必要なこと、価値観の見いだし方についても知ることができます。
恋愛で生じた問題にはリスクを覚悟で立ち向かう勇気を持つことが、未来のために最も正しい選択肢に導くというメッセージが込められている小説だと思いました。

 蛇足ですが――作者のウィットに富んだ表現力の一環である『致死量』は秀逸で『もはや、ときめきが致死量だ。週末まで無事に生きられるのだろうか。』に頭を射貫かれて笑い、呆けてしまいました。こんなものが随所に転がっているので最後まで読むのはとても大変でしたが、読後感は本当に〇っ〇〇しました。

★★★ Excellent!!!

一つ一つの言葉に、温度を感じるようなとても素晴らしい文章でした!平凡な日々に散りばめられた恋にときめき、一気に読み進めてました。無駄のないテンポの良いお話の中に、丁寧に表現される感情の機微がとても心地よかったです。甘い幸せと、苦い余韻をたっぷりと感じました。是非紙の本として手元に欲しいです。素晴らしい作品をありがとうございました!

★★★ Excellent!!!

友人に勧めてもらって読みました。一日の終わり眠る前に少しずつ読み進めていくのがとっても楽しくて最近の楽しみになっていました。お話はまさにときめきが致死量!!でした!文面でしか見ていませんが琴引さんの透明感を勝手に想像してしまいました…。ほんとうに尊いお話でした!書籍として読みたいなあと素人ながらに思いました。また各お話の題が生活していく中の動詞、になっていてそこもとても響きが素敵だなあとときめきを感じました。

★★★ Excellent!!!

心が揺れ動く感覚がたまらなくて
読み進める手は止まらず
気がついたら日が昇っていました。

今までこういったものは書いたことがなく稚拙な文章ですが、この胸の高鳴りを星として贈りたいという衝動に駆られ、レビューを書かせていただきました。


私はもっぱら直感的に響く映像が大好きで、無機質な感じを抱く文字には苦手意識を持っていました。

就職活動がうまくいかない中、憂鬱に押しつぶされそうな現実から逃げていたら、たまたまこの作品に出会い

文字が紡ぎ出す"セカイ"に衝撃を受けました。

憧れるような物語の恋愛の要素に、リアルで丁寧な描写と、続きが読みたくなる高揚感が心をぐわーっと掻き乱し

無機質な文字から心の中に作り出されていく情景や空気感、人物、温度の1つひとつが温かく、愛しい幸せな気分になりました。


この作品が教えてくれた感動を通して
もっともっと文字の"セカイ"を楽しみたい
とワクワクを感じています。

そして何よりあんな素敵な恋がしたい!笑

私も小説をもっと読み言葉を蓄積して、言葉を使って伝えることが苦手な自分を変え就職活動をまた頑張りたいと思います。


長くなりましたが、最後に…
素敵な文字の"セカイ"に連れて行ってくださり、ありがとうございました。

★★★ Excellent!!!

Twitterで流れてきて、なんとなく開いたら…もう手が止まりませんでした。

自分の中でいろんな感情が動いて、わくわくして、でもこの小説全体を包んでいる穏やかさみたいなものも心地よくて。
空気感というかそういうものまで逃したくなくて、すみずみまで味わいながらゆっくりじっくり読んでいたはずなのに、気がついたら最後のページでした。

ぜひ本で手に取りたいなとも感じました。

ステキな作品に出会えて本当によかったです。

★★★ Excellent!!!

Twitterでどなたかがお勧めしていたので、リンクを開いてみました。Twitterで開いていたのですが、一度画面を閉じたらサイトがなくなってしまって必死で探してなんとか見つけました。

わざわざ…と思うかもしれませんが、そうしたくなるほどにたったの数ページ読んだだけで惹き込まれる何かがありました。言葉の選び方なのか、登場人物の心情に対する共感なのか。とにかく夢中で読みました。主人公の女性の一喜一憂に、自分も舞い上がり、悶え、少し泣きました。

普段ならわざわざレビューを書くタイプでもないのですが、少しでも多くの人に是非読んでほしいと思い、読み終わってすぐに書き始めていました。

こんなにも恋する不安と、期待と、喜びと切なさ、辛さを文章化できることに驚きました。2人の距離感の詰め方も勘違いや嫉妬も、わざとらしくなく自然で、すっと心の中に入ってくるストーリーでした。

★★★ Excellent!!!

Twitterでお見かけして拝読しました。
読み出したら止まらなくなり、どんどん引き込まれ、気付いたら一気読みしていました。
そして興奮覚めやらぬうちに感想をお伝えしたくなり、ユーザー登録をして今に至ります。

私は風景や人物の描写が好きでした。
登場人物たちがどんな場所にいるのか、何を見ているのか、どんな人なのかという想像力がガンガンに働く感じがしましたし、身近に感じられる気がして。

途中、「ああ〜どうなる?!」という分岐がいいタイミングで現れて、その度にどきどき、ハラハラ、わくわくしていたら途中でページを閉じるなんて全く出来ませんでした。

そして言わずもがな、紗子さんと琴引さんのやりとりが好きです。勿論その他の皆さんも!
その人ごとに、物語が垣間見えるのも好きでした。
府川さんのカレーが食べてみたいです(笑)

読み終わったあと、あたたかい気持ちになれました。人に会いたくなりますね。
素敵なお話をありがとうございました!
陰ながら、応援させていただきたいです。

★★★ Excellent!!!

カクヨムは使ったことがなかったのですが、Twitterで気になって登録して読みました。
noteで作者さんの短編を読んだことがあり、その
時も文章力、表現力に驚かされたのですが、長編でもその筆力はゆらぐことはありませんでした。
これを無料で読むことのできる凄さ。
同じ恋愛小説を書く作家として、作者さんの才能が眩しく、打ちのめされました。

すごいのはそういう部分だけではありません。登場人物がたくさんいるのに、誰もがみんなリアルで本当にどこかに生きていそうなんです。
ごっちゃになったり、押し付けがましかったり、イメージが湧かなかったり、そんなことが一切ない。そしてみんなに背景や物語がちゃんとある。
ただただ素晴らしい。

主人公と琴引さんの恋愛にはドキドキしっぱなしでした。
途中、本当に焦ったかったし胸が締め付けられるくらいに切なくて。
まるで自分がさこちゃんのお友達にでもなったかのような気分で最後まで見守らせていただきました。
読後感もまた素晴らしかったです。
素敵な作品をありがとうございました。

★★★ Excellent!!!

Twitterを見ていたところ、この小説の宣伝をお見かけしまして、気になりましたので読んでみることにしました。
とても面白かったです。
ついつい続きが気になり、最後まで一気に読み進めてしまいました。
作中の人物の心情の描写がとても上手で、ドキドキしながら読み進めることができました。
この作品、作者様に出会えてよかったです。

★★★ Excellent!!!

Twitterから流されるままに読み始め、そのまま最後まで読みました。
スッと入ってくるというか心が洗われるような心地よい小説でした。
いい意味でドキドキしない、だけど続きが気になってどんどん読み進めてしまう。
なんなら自分が横に引っ越してきたいとさえ思いました。
恋がしたいと思う気持ちも出てきましたし、なによりもっとこの2人の先が知りたい!と思いました。
一瞬でファンになりもっとこの人の小説を読みたいと思えて幸せです。
これからも楽しみにしています。

★★★ Excellent!!!

息子達が10万円がきたら二代目のswitchを買おうと画策している…というツイートから来ました。
最初っから最後まで読み込んじゃいました!とてもとても面白かったです!!
面白い…?っていうのでしょうか、興味深いというのでしょうか、続きがすごく気になって読まずにはいられないという感じでした。日本語って難しい。
人間って面白いですよね、相手のことを考えすぎて億劫になってしまったり、はたまたその相手はそんなことを考えていたり、考えていなかったり。読んでいて、身近にあり得るような不思議な縁の上に人間関係が繰り広げられていてまるでその場にいるかのようにその場その場の雰囲気や気まずさが手にとるように伝わってきました。
木南さんと琴引さんの関係性が隣人から始まるというのがとても好きです。普段配慮はするけれど、あまり気にせずに生きている、隣に住んでいる人。そんな運命があったら…なんて夢も抱いてしまいました( ᐛ )
私は今年受験生の学生なんですが私の生活には使い道のみえないような現代文単語を覚えるというものがこの春休みに課されました。国語が私にとって一番の課題がある科目なので頑張って覚えました、それでも。
この小説を読んでいて何個かそのような単語が出てきました。覚えていたので理解ができて感動しました。そのために国語の勉強があるんだなって思えたので。わからないものは調べました。やっぱり意味がわかってから読むとより理解ができていいなぁと思いました。同時に国語の勉強頑張ろうと思いました。
琴引さんみたいに文章力はなくても私の言葉で私の気持ちを伝えられるくらいには書けるようになろうと思えました。
自分語りも混ざってしまいましたがどうしてもそういう心持ちになれたということを伝えたかったのです。長文を失礼しました。
最後に、素敵な作品を読むことができて幸せです!ありがとうございます。

★★★ Excellent!!!

冒頭から全体を通して言葉選びが美しく洗練されていると感じた。不愉快になる瞬間がない。さっぱりとした心理描写が心地よい。登場人物も名前をなんとなく覚えれる程度の、程よい数と人間模様の複雑さで、飽きたり難しくなったりもしない。メインストーリーはありそうでなさそうな、それでいて現実味が溢れてる生活感が好印象。少女の頃に憧れる恋と言うよりは、成人してから憧れる甘酸っぱい恋みたいな。性的な欲求、嫉妬、友情、社会人としての理性などなど、端的であるもののなんとなく共有できる感情表現に、感情移入とはまた別の情が湧くような気持ちを得た。おまけに至るまで、全てが計算されている美しさで、簡単のため息が思わずこぼれた。読み終わりまで手を休めることができず、晩ご飯を逃した。カレーが食べたくなる。
小説で充足を得られたのが久方振りのため、感動を持て余している。読み終えてすぐに同年代の友人に勧めてしまうほど、この小説を気に入った。同作者の他の作品も読むつもり。
大人になって色々と現実に疲れてしまった人たちへ、微睡で得られた幸福な夢ごこちのような気分になれるこの小説を勧めたい。

★★★ Excellent!!!

言葉の力で、素敵な人物像に生命を与えるのに成功した作品です。

恋しているときの感情は特別な事態、経験したことないとわからないわけですが、それを表現するのは結構難しいと思います。
作者はあっさり、ずばりと書いていて、それが的を得ていて、効果的でした。

琴引さん、と紗子さんはいつも呼びかけてますが、恋人になってからはどう呼んだのでしょう、お節介ですが、どうなっていますか?

★★★ Excellent!!!

一時間くらいかけて一気に読みました。
お隣さんとの恋、というテーマは一見普通です。でも、そこに圧倒的な描写力が加わって···最高に甘くてちょっぴり苦い大人のラブストーリーに仕上がっています。
読後感は···表すなら「感動」「爽快」「うっとり」「幸福」辺りですね。
本当に、素晴らしい物語です。
星3の中でも最高ランクです。
星が3個しか送れないのが悔しい···
それくらい素晴らしい!
皆さん、読んでいないなんて損です!ぜひ、読んでください!!!

こんな作品に出会えて嬉しいです。
ありがとうございます。

★★★ Excellent!!!

自分の言葉でうまく表現できないのが惜しいのですが、ひたすらに、読んでよかったな、良い物語だったな、お気に入りの作品になったな、とそんな感じの思いです。すごく引き込まれて一気に読み切りました。素敵な世界をありがとうございました。自分の世界でもいろいろな物語が奇跡のように周りにひしめいているんだなと思ったら、いつもより世界が鮮やかに見えました。

★★★ Excellent!!!

恋愛って本当に奇跡で、好きな人が好きになってくれるって他に例えようのない幸福感です。
主人公の心の描写が本当に手に取るように分かり、一緒にドキドキしました。
読後、幸せになって欲しいなぁ~と実在する人のように願ってしまいました。
これからも素敵な小説待ってます。

★★★ Excellent!!!

隣人との恋…近いようで遠い…届きそうで届かない…
なんとも言えない情景に…

まず、各話の表題にグッときます!
動詞で一言!
もう、その一言に、あれやこれやと世界が広がる!
そして、イイ意味で予想を裏切る、斜め上を行く展開!

主人公の心理描写が素晴らしく、思わず同調し、自分が物語の中に居る気持ちにさせられる…
かと思えば…
懐かしい純愛映画を観ながら、こんな恋愛がしてみたい!と憧れる…
けれど、どこにでもありそうなリアルが垣間見られる…
読了後、ジーン、ジワーッと何かが湧き上がってくる!そして、思わず、微笑んでしまう。
とてもステキな時間を過ごす事が出来る。そんな作品。

★★★ Excellent!!!

とっても素敵な小説です。

隣人に恋する、なんて非現実的に思える入り口でしたがとても自然で満たされるお話でして。

他の作品も読ませて頂いていますが、どれも良い意味でリアル。
映画を鑑賞しているかのようにスッと情景が浮かんできます。
だからといって単純な薄っぺらい文章ではなく…
物語と現実の境目にあるようななんだか不思議な感覚。

もっともっとこの作者さんの描く世界を味わいたいと思いました。
もっともっと広まって欲しい!

★★★ Excellent!!!

一言で表すなら"心が震える"と。

私もカクヨムコンに参加させて頂いておりますが、自分の執筆を止めて──応援ボタンを押すのを忘れてまで最後まで一気に読まさせて頂きました。

恋ってこんなにもいいものだったんだなぁって改めて感じることの出来る物語でした。

……もう一度、私も妻に恋してみよう。
そんな風に思わせて頂けた作者様に心からの感謝を申し上げます。




★★★ Excellent!!!

1度Webで読んで他の作品も気になり読みました。
推しは推せるうちに推せ。という言葉を思い出しアプリを入れ2度目を読み終わった所でレビューを書いています。
作者の文の紡ぎ方がとてもタイプでこんなにも素敵な物語に出会えて興奮が治まりません。

また初めから読みたい気持ちとこの2人や周りの人達の過去や未来のお話を読みたさにうずうずしています。

★★★ Excellent!!!

とても素敵なお話でした。
魂が震えるほどの相手と出会ったとき、突然世界が回り出すような感覚になるときがあります。
偶然に偶然が重なって次々と事件が起こって、気がつけば全てが必然だったんだって府に落ちるぐらい出来事が絡み合っていて。

序盤から最後までキュンキュンしっぱなしで一気読みしました。
最of高でした!

★★★ Excellent!!!

ひとり暮らしの女性が隣人男性に恋するお話。

全エピソードを通して、女性の心情描写がとにかく美しい。
ささいな日常の一コマを飽きさせないアングルから次々に捉えていく。
初恋のようなひたむきさ、ためらいの気配、すれ違いがもたらす痛ましさ。
どこまでも根を伸ばしていく恋心――

僕自身、こんな素敵な恋愛をしてみたかったと強い憧れを抱きながら読み終えた。

読了からしばらくして妻とのかつての思い出を振り返ると、僕らもまたこの物語に登場する二人と同じようにきらきらと光る煌めきを経験してきたことに気づかされた。

「砂村かいり」という作者はどこにでもありそうな、ありふれた恋をこんなにも愛しい物語としてこの世に残したのかと胸が震えた。

★★★ Excellent!!!

小説をとても久々に読みました。
独り身ということもあり読むと羨ましく、なんとなく寂しくなってしまうので恋愛小説自体避けてきましたが、Twitterで気になり。失礼ながら最初は「こういうの読んで、羨ましくなってどーせ自分は恋愛できない、とか思って途中で読むのやめちゃうんだろな」と期待せず読み始めました。70話一気に読んでしまいました。

好意から恋に至るまでの心の動きや、嫉妬心、、とにかく主人公の心の中が丁寧に、かつ綺麗な言葉選びで描かれています。気づけば主人公の恋を応援していました。

誰かを好きになるという感情、そしてそれが嫉妬心というものも含めて、綺麗で、いとしく、尊いものである、ということを思い起こさせてくれました。また誰かを好きになりたい、そう思わせてくれた作品です。

★★★ Excellent!!!

この方の作品を初めて読ませて頂いたのですが、とても私の好きな言葉の選び方とリズム感にドキドキさせられました。
私が涙脆いという所があるのかもしれませんが、終始涙止まらず…。
色々な展開が待ち受けていて、とても面白かったです。
リアリティさと感情の揺れ動き方がとても感情移入を誘います。

是非読んで欲しい。

★★★ Excellent!!!

隣すれ違ったOL。
電車で隣に座るサラリーマン。
ざわめく居酒屋でお酒を飲む大学生たち…

この人たちも自分と同じ今を過ごしているんだと、すんと感じた。

この小説に出てくる人たちは、どこか自分の周りにもいそうな人たちばかり。

愛くるしくて、会ったこともない彼らをとても好きになった。

だから70話があっという間で、もっと続きを読ませてとさえ思ったぐらいだ。

・・・・・

「好きってなんだろう」
「愛するってなんだろう」
と時々思う。

それは考えてもわかるはずがないのかもしれない。

「好き」や「愛」というものに出会って、向き合って、体感しなければ。

いつか出会いたいな。
素朴にそう思えた素敵な物語でした。

★★★ Excellent!!!

大人の焦れったい恋の様子を豊かに書き上げられた作品です。
主人公である紗子が恋に気づき、ゆっくりと感情の深いところまで降りてゆく心の機微を、まるで私もその場にいるかのように感じられます。
普段はたまゆらに過ぎてしまう、恋心の愛おしさや面倒くささといったものを、とっても大切にできる作品だと思います。
素敵な作品を読ませて頂き、ありがとうございました。

★★★ Excellent!!!

東京の片隅の、ちょっとレトロな集合住宅「アパートたまゆら」。
そこの部屋を気に入って住みはじめた女性と、偶然隣に越してきた男性。
ひとり暮らしに憧れる若い人、かつてをふり返る大人、そのどちらの心もときめかせる世界が、ここにあります。

ひょんなハプニングから、少しずつ、少しずつ、二人の距離が近づいたり、離れたり。昨今、どんな創作物にもスピーディな展開を求めがちな我々を「まあまあ」となだめつつ、ページごとに仕込まれているほんの少しのドキドキやハラハラが、俯瞰してみると大きな展開になっていることに気づいたときにはもう、すっかり物語の世界に入り込んでいるのです。

作者の大人気作『炭酸水と犬』が〝動〟だとしたら、この『アパートたまゆら』は〝静〟。
そんな対極の色のような物語なのに、読者をしっかりと各々の世界にいざなってくれるのです。それは、それこそが、砂村さんの紡ぐ言葉の魅力なのかもしれません。

この物語を開くとき、「たまゆら」という言葉の意味を、あなたはまず調べるでしょう。それを心の片隅におきつつ、その先にあるものを、一緒に見つけにいきましょう。



★★★ Excellent!!!

恋をすることは、楽しいことだけではない。些細な言動に、目の前が真っ暗になることもある。それでも。それでも一歩踏み出して、この恋を掴んでいたい。あなたを諦めたくないから。

叶わない恋をしていると、自分を守るための言い訳にしかならない言葉を、この物語のおかげで呑み込むことに決めた。私に一歩踏み出す勇気をくれた、そんな恋愛物語。

★★★ Excellent!!!

琴引さんが登場の瞬間にふわっとやられたのはヒロインではなく、読み手の私でした

あらすじにあるように軽度の潔癖症であるヒロインのアンバランスさに対し、彼のバランス感覚は素晴らしいものに感じ取れる。
そんな彼のバランスに、彼女もなんとか自分もバランスを取ろうとする。そこに読んでいる私も乗っていく。

私自身も恋愛小説を好んで書いてきたのでヒーローをどう見せるかという作業が必ずはいる
今回、砂村さんが私たちに見せてくれるヒーローは(と位置づけて呼びたくはない作風でいらっしゃるけれど)
よくあるハイスペックなヒーローとは異なる、でも多くの男性が簡単には持っていない甘やかさが感じ取れる。
作者である砂村さんが心の底で女性を敬っているからこそ、読んでいる私にも心地よく『彼』が入り込んできたように思える。

バランスの取れる恋などは恋などではない
バランスが取れないからその危うさに焦がれたりするのではないか

ヒロインのそれまでのなかなかバランスが取れなかったいままでがあればこそ、読み手の私もバランスを取ろうとする彼女と追うように、この恋の行く先にはまっていくようです。そしてそれが恋愛小説ではないかと改めて思わされる。

そして恋は綺麗じゃない。心だけでなく肉体的にも
潔癖症の彼女が自分ではない男の成分をどう受け入れていくのか
その課程を楽しみに追っていきたい作品です

★★★ Excellent!!!

作者さまは、それはそれは丁寧に恋する女性の心情を描写されます。
彼女の行動を「じれったい」と思うのは、「読者が観測者でしかないから」という結論に最近至りました。
作者様が描かれる女性は、みんな一生懸命にその時を生きて、覚悟を持って人生の選択をしています。
その感覚を共有し、登場人物と一緒に生きていけるのが本作の深い魅力であると思っています。
少し部屋を暗くして、自分と向き合いながら読んでみるといろんな発見があると思います。
更新を楽しみにしています。