どん底で出会った彼

観月小百合、彼女は昔から薄幸だった。
運動会で一番になりたいと願えば、一番になった代わりに他の子が怪我をする。難関の高校に入学できたと思ったら、入学式の日に母が事故に遭う。
幸せがやって来たかと思えば、それを帳消しにするような不幸が必ず近くで起きる。世界は自分の事を祝福していない。ずっとそう思って生きてきた。
そして迎えた三十歳のバレンタインデー。その日小百合は、付き合っていた男にあっさり捨てられてしまう。

不幸です。同情せずにはいられません。
しかしヤケになって酒に溺れたバレンタインの次の日、小百合のスマホに「ウォンス」という見知らぬ人物からメールが届いた。調べてみると、酔っぱらった小百合を開放してくれた男性らしいのだけど……
その日からウォンスとのメールのやり取りが始まるわけです。ウォンスがどこの誰かは分からない。だけどメールで話しているうちに、だんだんと彼の優しさに惹かれていく。
彼氏にフラれたのがなんだ、私にはウォンスがいる。どこかで不幸な出来事が起きたって構うもんか、今度こそ幸せになるんだ!
まるで恋愛映画のヒロインになったような気持ちでメールを待ち、送られてくる優しい言葉に悶絶する。ウォンスがどんな人なのか想像してはドキドキせずにはいられない。恋する乙女全開の小百合が、それはそれは可愛らしくて(*´▽`*)

今まで幸せを願う事を放棄していた彼女ですが、この恋は上手くいって欲しい。幸せになってもらいたい。そう思わずにはいられませんでした。

小百合が恋するウォンスとはいったいいかなる人物なのか?メールで話すだけではなく、直に会う日は来るのか。もし会えたら、その時はどんな展開が待っているのか。
一話一話読む毎にドキドキが増していきました。
誰しも幸せになる権利はあります。このお話を読むときは、ぜひとも小百合の事を応援してあげて下さい。この子には本当に幸せになってもらいたいです。

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