雪のように儚く、美しく、心に静かに降り積もる出会いがここにあります。

自分が何かを願うと、誰かが必ず不幸になる。
そんな呪いのような過去の経験を抱えて幸せを願うことを諦めていた小百合。
ようやく手に入れかけた妥協とも言うべきささやかな幸せすらも逃してしまい、自暴自棄になってしまった彼女は記憶をなくすほど泥酔してしまいます。
けれどもそこで出会った声も面影も忘れてしまった彼が、小百合の人生を大きく変えるきっかけを作ってくれるのです。

作者様らしいあっと驚く出会いの真相に、ちょっぴりサイエンスな味付けをしたファンタジーが差し込まれているのも個性の光る展開です。
メールのやり取りで少女のように恋心を募らせていく小百合さんが、幸せになりたいとどんどん前向きになっていく姿に応援したい気持ちでいっぱいになりました。

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