覚が心を読めない少女は、覚の脅威か、救世主か──

人の心を読める妖怪、覚(さとり)────。
その存在を知る人も少なくはないかと思いますが、本作の覚は妖怪ではなく、見目麗しき三兄弟。しかも大豪邸に住むセレブです。

そんな覚の住むお屋敷に、何の因果か高校を休学してまで家政婦としてやって来たのが、本作のヒロインである紅葉。
超貧乏な家庭で育った紅葉は、宇宙最強の戦士にそっくりな梅さんや迫力あるもふもふのフジコ、個性豊かな三兄弟に翻弄されつつ奮闘しますが、やがて覚をめぐる事件に巻き込まれてしまいます。

明るく前向き、誰かのためならかなりの無茶をしてしまう紅葉に、人の心が読めるはずの覚たちが翻弄されてしまうのが何とも微笑ましくキュンとしてしまいます。
タイトルの『覚トリ』の意味が途中で明らかになりますが、物語の最後にはその存在の意味を再び考えさせられるという、ストーリーの妙も楽しかったです。

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