いざ高雄へ

 11時に宿をチェックアウトし、台北駅には11:30頃到着。2階のフードコートでご飯を食べようかと思ったのだけど、あまりの人の多さに断念……。そうか……今日土曜日だしな……。そこで喫茶店に入ってお茶をしながら時間を潰し、お昼ご飯は駅弁を食べることにした。


 それにしても、台鐵たいてつ(台湾鐵道)の駅のコンコースは広い……。いやもう、目がおかしくなったのかというほどの広さだ……。中山記念堂の広場も死ぬぬ程広いらしいが、台湾人、広い広場、好きだな……。


 そしてその遠近感が狂いそうな程広いコンコースを囲うようにして、2階がフードコートになっている。ものすごい広さの筈なのだが、それでもいっぱいになるほどの人はどこから来るのだろうか……。


 コンコースに面した喫茶店で、広さを肴にお茶しながらそんなことを話していると、すぐに時間がきてしまった。早速駅弁を買いにいこう。


 そう。台湾には駅弁があるのだ。駅弁。なんでだろう。お弁当じゃダメだ。デリカでもダメ。やっぱり、「駅弁」という物には心躍る響きがある。


 台湾ではお弁当は「弁当」ではなく、「便當」と書く。

 駅の1階、地下1階に「便當本舗」というお弁当屋さんがあって、そこが繁盛しているというのでさっそく行ってみた。1階にはコンコースを囲むように色々なお店屋さんがあって、お洒落なお弁当やデリカも売っているのだが、どうしても私達は台湾の駅弁が食べたいのだ。


 人に訊きながら「便當本舗」に到着すると、結構繁盛していた。お弁当の種類は5種類くらい。一番人気のお弁当は売り切れていたのだが、みんなで違うお弁当を買って試し食べをすることにした。ああ、楽しみだな。早く高鐵新幹線で駅弁を食べたいな♥


 そんなこんなで駅弁ショップを楽しんでから、高鐵のホームへ移動。ホームへは、時間が来るまで降りれないようになっていた。


 早く来ないかな~と、高鐵が入線してくるのを待つ。若い頃、撮り鉄だったというパパ吉は血が騒ぐらしく、かなりワクワクしている。

 やって来た高鐵は、なんだか日本の新幹線のようだった。


「なんか、見慣れた感じの新幹線だね」と言うと、パパ吉が嬉しそうに説明してくれた。


「ふふふ。台湾新幹線の車両はね、日本初の輸出用新幹線車両として、700系車両を元にして造った日本製なんだよ。日本の新幹線に似ているのは当然でしょ?中はどんなかな~。楽しみだねぇ」


 う……嬉しそうだな、パパ吉……。私には新幹線の中身より、お弁当の中身の方が気になるんだけどさ……。


 高鐵の中は、やっぱり日本の新幹線みたいだった。っていうか、そもそも私は日本でも新幹線にあまり乗ったことがないので、乗り比べようにもどこをチェックすべきなのかもよく分からないのだ💦 まぁ、なんか、普通に新幹線?って言うと、パパ吉に怒られるんだろうけど……💦


 そんなことよりお弁当だ。紙のパックの上蓋に、高鐵の写真が印刷してある。

 パックを空けると、大きな鶏肉、大きなお揚げ、ゆで卵、高菜、ご飯、というメニューだ。他のお弁当も大体こんな感じで、一番人気のお弁当はそぼろご飯らしいのだが、それが売り切れていたのが残念。

 

 味は、大きな鶏肉は甘辛く煮てあって、中華風だから少々八角の味がする。ああ、おいしい。おいしいなぁ……(〃▽〃)高菜もぴりっと辛くてご飯に合うぞ。

 しかし、お肉には包丁が入っていなくて、大きいまんまびろ~んと入っているのはどうよ……。う~ん、これは残念。お肉は包丁入れておいてくれないと食べづらいよ……。



 お弁当を食べ終わってしまうと、次に興味が引かれるのは駅名だ。空港のある松山や花園も日本にもある地名だし、漢字の名前というのは、日本語と見分けがつかないことがある。だから、車内の電子掲示板を見ていると、ついつい不思議な気持ちになるのだ。


「あ!見て!次の駅名、板橋だよ!」

「すげぇ、板橋に新幹線停まるのか!」

「ちょ!駅名の看板写真に撮りたい!!」

「出世したな、板橋!!」


 そんな風に大喜びしながら、あっという間に1時間40分弱の台湾新幹線の旅は終了し、終点の左營に到着したのだった。


 左營は台湾南の玄関口、高雄の駅だ。高雄にもMRT(捷線・高雄だとほぼ地下鉄)があり、高鐵とMRTの左營駅は併設している。

 高雄の街から見るとちょっと北の方にある感じだが、街中まで15分もしないですぐ着くから、やはりこちらも近い!便利だなぁ。

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