2日目:台北から高雄へ

ひとまず行天宮観光

 台湾2日目。

 高雄へ向かう高鐵新幹線のチケットは1時半なので、お昼を食べてから高雄に行くことにした。


 とすると、午前中は時間が空く。台湾のホテルは、ほとんど12時チェックアウトなので、朝ご飯を食べて荷造りした後も結構時間に余裕がある。それなら少し辺りを散策しようか。駅弁を買って新幹線に乗っても良いし。

 ということで、チェックアウトは11時にして、それまでの時間は自由時間ということにした。


 ホテルのある駅は「行天宮」駅。徒歩5分くらいの所に、台湾でも1、2の人気を誇る「行天宮」があるのだ。

 行天宮は關聖帝君かんせいていくんを主神として祀っている。關聖帝君は、三国志の蜀の武将・関羽(雲長)が、死後神として祀られた物で、その強さは元より、忠義に篤く約束を決して違えなかったこと等から、商売の神として祀られるようになった。

 まぁ、算盤そろばんや簿記を発明したというのは、商売の神様になってからの後付だと思うのだが (^ω^;) 

 私は三国志オタクな上に、蜀の中では関羽親子が一番好きなので、関帝廟には異様に盛り上がってしまう。なにしろ、中国大陸で三国志の史跡巡りをしていた位なのだから……💦


 ということで、とりあえずのんびりぶらぶらと行天宮に向かって歩いていった。昨日飛行機の中で26℃と聞いていた割には結構寒くて、私らはジャンパーを着て歩いていたのだが、真冬でも半袖マンの息子が当然のように半袖で歩いていましたら。


 町中まちじゅうのおばさん達がたぬ吉を指さして怖い顔で何事か言ってくるよ……?


 ど……どうやら、息子が半袖なので「こんなに寒いのに半袖を着せているなんて!」と怒られているらしい……。そこで日本語とジェスチャーを交えながら、「この子は半袖マンで、冬でもジャンパーを着ないんです!着てって言うんですけど、不要プーヤオって言って、着てくれないんです!」と言いまくると、「あぁ、不要か……」「うんうん、まぁ、それなら良い」と、かなり不満そうな顔で、それでもどうやら許してもらえたらしい。

 だがホッとしている暇はなかった。今度は若いお姉さんが日本語で「ハンソデサムイです。なんでハンソデ?」と言ってくるではないか……。


「こ、これは、パパとママのためにもお前上着着てくれよ!」と言えば言うほど、息子は「俺半袖マンだも~ん!」と嬉しそうに走り出してしまうのはどうしてくれようか……!!


 そんなこんなで、町中のおばさん達から「何で半袖」と怒られつつ、やっと行天宮に到着……。


 行天宮はとても大きく、お供えの台もバ~ンと広がっていた。

 主神はもちろん關聖帝君で、普通はすぐ左隣に太刀持ちの周倉(元盗賊。三国演義に登場するオリジナルキャラクターで、実在の人物ではないが、中国にはちゃんと墓があるという……(´ω`;) まぁ、周倉の墓には私達、お参りに行きましたがね……orz)が、右側には関羽の息子の関平が立っているはずなのだが、行天宮では、2人はもう少し離れた所に立っていた。

 なんでこんな造りなんだろうと興味津々に写真を撮っていたら、怖い顔をしたおばさんが近寄ってきた。「あ、写真撮ったら駄目って怒られるのかな?」と思っていたら、おばさんはまたもや息子を指さして「何で半袖!?」と……。

 たまたまそばに日本語の分かるおばあさんがいたので、「日本でもいつも半袖で」と説明して、通訳してもらったのだが、でもこのおばあさん、息子の腕を取って「冷えてるじゃないか!」と……。


 そういえば、こんな話を聞いたことがある。

 日本では「子供は新陳代謝が良くて暑がりなので、大人より1枚少なく着せる」が、中国や香港、台湾などの中華圏では「子供には大人より1枚多く着せる」習慣があり、これが日本人の嫁さんと中華圏のお姑さんの間で結構な火種になるそうな……。


 こ、これが噂の……と、中国に嫁いだ日本人嫁の気分を味わいつつ、もう行天宮だけで5人くらいの方に息子の半袖を説明し、「本当にママ達のために上着を着て!」「上着着ないともう外出禁止!」「取りあえず、必ず持って歩こう!そして指摘されたらすぐ着せよう!」とプチ家族会議が開かれたのだった……。


 それだけ子供を大事にしてるって事だよね……、きっと。みんなが子供を大事に見守ってるって事だよ……。でも……でも、半袖マンのことはもう放って置いてくれないかなぁ……(TωT)




 この後、宿に戻る途中にも小さな廟があり、ちょっと見学してから宿に戻ってチェックアウト。台北駅にはMRTで行くが、またまたみなさんに子供達が席を譲っていただきましたよ( ^ω^;)

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