公園巡り

 おなかがいっぱいになったので、次は公園巡りだ。


 目抜き通りを通って、そのまま海まで歩いていくと、公園がある。海沿いはずっと公園のようで、色々な公園の名前が地図に記されている。


 ここから地図を見ながら、1km位先にある風車公園まで行ってみよう、という計画だ。貰った地図に、風車公園の写真が載っていたのだが、駅前にあった怪しい魚のオブジェのような物が、風車公園にもあるらしいのだ。それに「風車公園」というだけあって、風車もたくさん並んでいる。これはぜひ見てみたい風景だ。


 

 メインストリートを歩いて海までたどり着くと、海沿いの公園にはものすごく巨大なタカアシガニの像が建っていた。多分、3m位はあると思う。しかもこのタカアシガ二、おなかが開いて卵がこぼれているのだ💦💦

 何?だからこのセンスは何なの?この辺はタカアシガニの産卵場所で、そのメモリアルなの?いやそれにしても、腹割れてるし!卵こぼれちゃてるし!!なんか、「食べかけです!」みたいに見えるよ!?

 う~ん、よく分からんセンスだ……。いや、決して嫌いじゃないけどね!?


 そのまま海水浴場まで降りると、子供達はまだ寒いっつうのに勝手に海の中に突っ込んでいき、靴をべちゃべちゃにしてしまう。……くそう、お前ら、何故海を見ると問答無用で走っていこうとするのだ……!!


 そうしてたぬ吉はママが怒るのも構わず、いつまでも波と競争し、ぢぞ吉はママと綺麗な貝を延々探していた。



 沖の方にはたくさんのタンカーが浮かんでいる。

 ここは海の交通の要所のようだ。

 なんとなく、のどかな光景だ。こうして暖かいお日様に照らされて貝など探しながら波と遊ぶ子供を見たり、遠くのタンカーを見たりしていると、ずっとここにいたくなるよ。


 しかし、もちろんそういう訳にはいかない。そのうちに、パパ吉から「もうそろそろ移動しようよ」と声がかかった。

 子供達はまだ遊び足りないようだが、ここから1km歩くのだから、と、子供達を追い立てる。本当は私も一緒に遊んでいたいが、まぁ、一応大人だからな……。

 浜辺から公園に上がってくると、水場があった。更衣室とシャワー、それに足洗い場もあって、足洗い場では、多くの親子が足を洗っていた。


 ……こんな時期に海に浸かる阿呆は、うちの子供達だけではなかったらしい……。なんとなく、ホッとしてみたりする……。


 ここから少し歩くと、遊具の置かれた児童公園があった。

 子供達はすぐに「ここで遊びたい!」と走っていく。

 パイプのような滑り台やジャングルジムがあり、子供達は先にそこで遊んでいた現地の子達とすぐに仲良くなって、一緒に遊びだした。


「子供って、言葉が分からなくても、遊ぶときには意思の疎通が出来るんだなぁ」

 楽しそうに遊んでいる子供達を見ると、ついつい感心してしまう。

「ほら、そろそろ行くよ~」

「分かった!バイバ~イ!」

 子供達が手を振ると、現地の子達も「バイバ~イ!」と手を振り返してくれる。仲良くしてくれてありがとうね。子供達にはこういう出会いが良い思い出として残ってくれれば良いなぁ。


 ガッツリ遊んで満足した子供達を連れて、そのままどんどん海沿いの公園の歩道を、南に向かって歩いていく。


 するといきなり、娘のぢぞ吉が「ママ、トイレに行きたい!」と。

 ええ~!?ちょ、そんないきなり言われても、さすがにトイレこの辺にはないよ!!息子のたぬ吉になら、「ちょっと失礼して、その辺の木の陰で……」とか言えるかもしれないけど、もう9歳になろうというぢぞ吉はそんなことできないと怒るし……。

 なんでさっきの公園でトイレ行っとかないのよ!と思っても、そこが子供というものだ。


 少しキョロキョロすると、通りを挟んだ向こう側に、廟が見える。

 実は先程から、500mおきくらいに、廟が建っているのだ。よくこんなに廟を作って、お参りする人も祀られる神様も尽きないな、というほどの量だ。

 廟なら人の集まるところだし、今まで行った廟には必ずトイレがあった。ひょっとして、あの小さな廟にもあるかもしれないぞ!?そう思って、さっそく私達は道路を横切って廟に行ってみた。


 廟のすぐ隣りに、小さな食堂があった。通りの向こうからは気づかないくらい、小さな食堂だ。

 その食堂のおばさんに、「有 没有 洗手間?(トイレはありますか?)」と書いたノートを見せると、おばさんはすぐに「有、有!」と、私達を廟の裏手に連れて行ってくれた。

「謝謝!(ありがとう)」とお礼を言って、さっそくトイレを借りる。その後お礼の替わりに食堂の中で売っていたお水を購入。水なら持ってるけど。でも冷たいから奪い合いになりましたよ(笑)


 ぢぞ吉はこの時のことが余程印象的だったのか、旅が終わった後に、「台湾って、トイレに紙を流さない以外で、何か異文化だなぁと思うことあった?」と訊いたら、「お寺がたくさんあってみんながすごくお詣りしてるのが、日本とは違うなって思った。だって、あんな500mおきに廟があるんだよ?」と言っていた。さすがに500mおきに廟が並んでいたのは、後にも先にも旗津区だけだったのだが、それだけインパクトがあり、なおかつありがたかったのだろう。娘の中では「台湾=廟」だ。


そのくらい台湾には廟が多く、信仰が根付いているのが印象的だった。 


 それにトイレがなくても、お店がなくても、廟だけはたくさんあるというのは、観光客の私達にもありがたかったですヨ💦

 皆さんも、トイレに困ったら、ぜひ廟を目指して下さい(笑)




 さて。公園巡りに話を戻そう。


 最初の公園から1km位歩くと、旗津海岸公園の入り口に到着した。


 持ってた地図だと、1kmも歩けば、たくさんの風車と変な魚のオブジェがいる旗津風車公園があるはずだった。

 だが、旗津海岸公園の入り口に置いてある地図を見たら、なんとこの海岸公園は、最初の公園と風車公園の真ん中にあるらしいのだ。


 え?風車公園って、メイン通りから1kmじゃないの?あれ?でもこの地図だと、もう1kmは歩かないと行けないよね?旗津区は全部で3km位あるけど、風車公園って、思ってたより南の端の方にあるの!?


 さすがにもうこれ以上歩くのはいやだ……。だって、ここからもう1km歩くって事は、また同じだけ歩いて帰らないといけないって事じゃん……。いや、一応バスも走ってるみたいなんだけど、さっきからずっと歩いてるのに、1度もまだバス見てないし……。


 レンタル自転車の観光客が颯爽と私たちの脇を走り抜けていく……orz あぁ、本当に自転車借りれば良かった!!! パパ吉はもう「タクってフェリー乗り場に帰ろうよ!」オーラを出しまくっているけど、「海から1本街側の通りを歩いたら、氷屋さんがあるかもしれないから、氷屋さん見つけて食べようよ!」と説得して、風車公園は諦めてフェリー乗り場に戻ることにした。


 あぁ……私の変な魚のオブジェよさようなら……(TωT)



 ところが、歩けども歩けども、氷屋さんは見つからず……。地図に載ってる氷屋さんも無いし……。

 代わりにTシャツ屋さんでアングリーバードという息子の大好きなiアプリのキャラクターTシャツを発見し、息子がもう興奮して買ってくれ~~!と駄々をこね始める。

 そういえば、アングリーバードのぬいぐるみストラップ持ってる学生さんとか、Tシャツ着てる子供とか、たくさん見たなぁ。台湾では人気なのかな?普段キャラクター物は買わないことにしているんだけど、アングリーバードはそんなにキャラ物には見えないし、何より日本じゃ売ってないから、旅の記念に買っちゃうか!と1枚購入……。旅先は感覚が違っちゃって、駄目だねぇ……。



 そんなこんなであっちをフラフラ、こっちをフラフラしながらやっと旗津区のフェリー乗り場に戻ってきたのは良いけれど、結局かき氷が食べれなかったので、対岸に着いたら確実に食べれるように、もう雑誌の載ってる氷屋さんまでタクろう、と話ながらフェリーに乗ったのだった。



 あ、旗津区のフェリー乗り場は、建物がレトロでとても可愛いよ!皆様もぜひ見に行って下さいね!!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る