六合観光夜市

 昼間にたくさん歩いてヘトヘトになっていたにもかかわらず、ホテルで1時間ほどゆっくりしたらすっかり復活。いや、本当に休息の大切さを思い知る……。

 大人組はその1時間の間にがっつり眠っていたのだが、子供達は元気にポケモンごっこで暴れまくっていやがった……。お前ら、その体力を少し分けてくれ……orz


 体力を回復したら、今日こそ六合観光夜市でご飯を食べるぞと移動する。

 六合観光夜市はMRTの縦線と横線の交差する、美麗島駅にある。美麗島駅は駅舎が美しいので有名だ。駅のメインホールに、赤と青のガラスで出来た柱が並び、その上をブルーをメインとしたステンドグラスの天井が、円形に広がっていく。


 「美麗島」の「美麗」は、台湾に入植した国民党の蒋介石の奥さん、宋美麗から名前を取ったらしい。まだ国民党がバリバリ幅を利かせていた頃に造られた駅舎とはいえ、こんな綺麗な駅の名前にしてもらえるなんて、羨ましい限りだ。



 美麗島駅を降りたら、すぐに六合観光夜市が広がっている。2ブロック分の道路を封鎖して歩行者天国にし、その両脇に屋台が並んでいるのが六合観光夜市だ。


 ちなみにこの夜市、トイレがないのだ……。持っていったガイドブックには「入り口すぐのパチンコ屋さんで借りると良い」と書いてあったが、「貸しません」と貼り紙がしてあったので、どうしてもの時は駅に戻って借りた方が良いだろう。ちなみにうちの子が「トイレ!」と言ったときは、駅に戻って駅員さんを見つけ、「トイレ……」と言っただけで「おいでおいで!」と手招きして、トイレ貸してくれましたよ!


 この六合観光夜市での私のお目当ては、雑誌や旅行記などで必ず「高雄に来たらこれを食べなきゃ!」と紹介されている海鮮粥だ。美麗島駅から向かって1番どん詰まりの、通りの右側にある屋台がその海鮮粥屋さんだ。


 でも、我が家の面子は海鮮がそれほど好きではない。どうせなら牛の串焼きとか唐揚げとかを食べたいらしい。


 でも!私はどうしても海鮮粥が食べたいのだ!!


「じゃあママはここで食べるから!みんなは好きなの食べてきて!」

 と、欲望の赴くままに勝手に注文してしまった……。


 さて、そのくだんの海鮮粥と言えば。


 高雄近海で取れた新鮮なエビ、イカ、貝、牡蠣などが山盛りで、ニンニクがきいていてとても美味しい!私は「もう少し塩味が効いてても良いかなぁ」と思ったのだが、その分魚介の風味が生きておりますよ!!いや、さすがに皆さんがイチオシするだけのことはあるよ!!マジで旨い!!!

 ところがワタクシ。


 実はここ2回ほど、牡蠣を食べたらきっかり6時間後にものすごい吐き戻したりしていまして……。みんなから「それはアレルギーかもしれないから、もう食べない方が良いよ」と言われまして……。なので牡蠣が入っているのを見たときには「やべぇ!」と思ったのですが、「まぁ、6時間後に吐き戻したらその後はすっきりするから大丈夫だ。牡蠣食べなきゃ大丈夫だろう」と、牡蠣以外、汁一滴残さずに食べまして。


 ……食べ終わった後に、「そう言えば、『アレルギーは急に重くなることがあるから、重度のアレルギーになると困るから、もう牡蠣は食べちゃ駄目だよ!』って言った友達が2人いたな……」と思いだし……。


「え?でも牡蠣食べてないよ?でもこのお粥、牡蠣エキスはばっちり入ってるよね……。明日移動日なのにどうしよう!」と、急に不安になりまして……。


 ……その後、携帯でみんなが今入り口付近のセブンイレブンの近所のお店で麺を食べてると聞いてそちらに移動したのだが、もうママは牡蠣が気になって気もそぞろになってしまった……orz


 パパ吉や子供達は、市場の真ん中当たりにある臭豆腐しゅうどうふの匂いがどうしても駄目で、「この店の近辺で飲み食いなんてできない!」と、遠く離れた入り口付近まで戻ったのだそうな。

 途中の屋台で娘が好物のエビの天ぷら(日本風で、ちゃんと甘辛い汁が付いていたらしい)を買ったけれど、「これは立ち食いできない!」と……。せっかく夜市に来たというのに、結局座って食べれるお店屋さんで麺を食べ、そこで天ぷらも食べたのだそうな。なんか、もったいないなぁ。買い食い、立ち食いの楽しさを知らないとは……。そう言えば日本のお祭りでも、地面に座って食べたがるもんなぁ……。これだから現代っ子は……。


 そうそう。臭豆腐というのは、東南アジア人がドリアン大好きなように、一部の日本人がくさや大好きなように、台湾人が好んで食べる、匂いは強烈に臭いけど、味は美味しいというお豆腐だ。台湾はどこ行ってもこのお店があって、みんなが大好きって事はチャレンジすれば美味しいのだろうけど、なかなかアレを口に入れる勇気が無く……。

 この旅行中、パパ吉は少しでも臭豆腐の匂いがすると「俺はこの店では食べれない!」と、どんなにおなかが減っていても避けて通っていたのだ……。


 合流後、パパ吉は屋台で鶏串を食べ、みんなで生ジュースを飲み(ちなみに、高雄は木瓜パパイヤミルクジュースが人気だ。この時期、まだマンゴージュースは売っていなかったのが残念)、それからみんなでホテルに戻った。


 

 さて。


 すごく心配した牡蠣だが、パパ吉が「アレルギーならもっと早くに出るでしょ?6時間後に吐き戻すって、それ単に2回連続であたっちゃっただけだよ。高雄の海鮮粥が有名なのは新鮮な魚介類を使ってるからでしょ?だったら今回は大丈夫だよ!もし本当に体に合わないんだとしても、牡蠣自体は食べてないから大丈夫!」と言ってくれたて、大分気持ちが楽になった。

 安心したらぐっすり眠れて、本当に吐き下すこともなく、すっきりと朝起きられた。良かった~。

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