十九、【序文】

 クリエイター 須* 梓

 一九八*年 *月 二十*日、**県に生まれる。幼少期よりその才能を発揮し、十四歳の時地元の展覧会に展示した『赤髪の少年』がテレビ取材を受け、全国的に名を轟かせる。十六歳の時、**原爆資料館にて異例の個展を開き、そこで須*の絵に才を見出した東京**大学の**教授(当時)と知り合い、以降は彼に師事する。二十歳の時、ルーマニア**大学に交換留学し、遺作『ラベンダー畑』、『誰か』を残し服薬**。

 独特の色彩が魅力となっており、**教授は彼の絵を『水彩のゴッホ』と評した。対象物の種類は多岐にわたるが、特に花をテーマとした風景画が多く残されている。


『彼の絵画は魂を持っていた。まるで映画のような絵だ。ワンシーンを切り取った絵ではなく、空間的、時間的連続性を持つ。彼の絵の前に立てば、我々はしばらくそこから動くことはできない。物語を最後まで見るまで離れることができないのだ。彼の残した作品の全てが、彼という個の物語であったのかもしれない。我々は彼の色遣いと筆致に感嘆の吐息を漏らすことしかできないが、私は彼という人間に出会ったことを幸福に思うのである。絵画は本来、二次限的平面でしか表現できないものだ。それを三次限的、四次元的に表現しようと各々の芸術家が表現法を模索しているこの時代、彗星のごとく現れ、流星のごとく消失した彼の才能は、まさに我々に絶望と希望を同時にもたらしたのである。』(東京**大学名誉教授 ** ***氏のインタビューより抜粋)



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