海石榴

鎌倉の地理と歴史に精通した作者さまならではの歴史小説。日本初の「築港」により、国内外の船が多数入港し、鎌倉は栄えることになりますが、その秘められた史伝を知的かつ幻想的な筆致で綴った…続きを読む

この太史慈伝は非常に面白い。しかも、わかりやすく読める。弓の名手であり、義の英雄である太史慈の活躍が楽しみです。

格好いいですねえ。団三郎。いずれ、作者様には阿波の狸合戦の主役、金長狸の物語も書いてほしいですねえ。あっ、この合戦には淡路の芝右衛門狸も参戦したそうです。

風俗での体験談ですが、とても素直に実体験を描いており、好感がもてます。ご本人は普通のかわいいお嬢さんなんだろうなって感じが出ていて、素敵です。

近藤勇の血を引くという女。そして今は警官となった藤田五郎こと斎藤一の思わぬ出遭い。新選組最強の男といわれ、無敵の剣をふるった剣客の寡黙なうしろ姿が見えるようです。

男女二人の内面に迫る、素晴らしい描写力に感嘆です。

狂気という母胎の中にこそ美は孕んでいる。歪んだ風が吹いたとき、穢れなき二人の魂は、穢れのない世界へと旅立つ。これは無垢な魂を内包する異才の作者が紡ぐ壮絶で狂おしい幻想美である。

「跫を読む」というテーマが独創的で面白い。会話中心の流れるような文体と、利休が憑依したかのような巧みな大坂言葉の駆使に、唸らされます。

奇想天外な決闘場面、楽しませていただきました。作者さまのスピード感あふれる言葉のマジックに感嘆です。

もののあわれを知る平家の公達は、その最期まで美しい。珠玉の短編、ありがとうございます。

この物語は、奇想天外な未来ドラマが描かれていますが、いつかこんな社会が到来する予感にあふれた小説でもあります。作者様の異才に感嘆です。

本能寺の変の最中、信長が平賀源内と遭遇するとは！素晴らしい発想に、驚愕です。筆者さまの「やわらかい頭脳」に期待するところ大です。

ホロリ、泣かせますねえ。

個人出版、自費出版、共同出版、商業出版と、いろんな形態の出版方法があります。その中で商業出版が最高ランクの形態だといわれます。しかしながら、出版の形態にそもそも上下があるはずがあり…続きを読む

山羊、モモンガたちの愛らしい動物から、著名作家にまつわるエピソードやら、浅草リリーなどの市井ものまで、筆者様の守備範囲の広さには感嘆です。しかも全篇おっとり上品な筆致。ときどきおト…続きを読む

いいですねえ。江雲こと六角定頼。管領細川晴元の岳父にして、足利将軍義輝の加冠役をつとめた室町幕府最大のフィクサー。ひとクセも、ふたクセもあるこの定頼の物語を今後じっくりと拝読させて…続きを読む

時代考証もゆき届いていて、徳川初期に漂う戦国の余韻がリアリティとともに伝わってきます。畳み掛けるような文体と内容の面白さが、読者をグイグイ引きずりこみます。ぜひ、この「読む愉しさ」…続きを読む

鎌倉の陰陽師・安倍晴隆を主人公とする虚偽実々の物語。この作者さまならではの知的な文体、息もつかせぬ展開には、いつもながら感嘆です。