概要
その一方では、仏世界最高の尊格たる五智の如来たちが、影でとある計画を練っていて…………。
須弥山にて護法に精魂尽くす神々は何を思い、砂漠を進む毘沙門天は各国さまざまな他宗派の出会いに何を見、策略と裏切りを越えた先に待ち受けるは幸福たる極楽か、はたまた焦熱たる地獄か……。
生きとし生けるものの信仰の内に生き残ろうとした、神仏による美しく優しい戦いの物語。そしてこれは、最強武神・毘沙門天が紡ぐ新しきインド神話にして新しき仏教霊験譚、切なくも甘き愛のストーリーである。
✴︎戦
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- ★★★ Excellent!!!婆羅門と仏門、それぞれの存亡を賭けた戦いが始まる
対立するデーヴァの神々の勢力に押され、その栄華に陰りが見え始めた仏門の世界。その窮状を打破すべく、如来たちが恐るべき奸計を巡らせる。
これを阻止せんと立ち上がったのが帝釈天(インドラ神)、そして日本では軍神・上杉謙信が信仰したことで名高い毘沙門天であった──
インド神話と仏教をベースとした世界観で繰り広げられる群像劇。デーヴァの神々も仏門に下りし天部たちも皆、一癖も二癖もある個性派ぞろい。多神教ならではの人間臭さをこれでもかと感じることが出来る。
単純なる善悪で物事を計ることは出来ないが、一つ言えるのはデーヴァの神々にも、仏門の者たちにも"正義"があるということ。それ故に情勢は混迷を極…続きを読む - ★★★ Excellent!!!ずっとお説法聞きとうなってまうわ。
まずな、話のスケールがでかいねん。神様らと他の宗教がバチバチにやり合うっちゅうのがたまらんねん。登場人物らの関係性とか立場とかが複雑に絡み合っとって、読み応えバッチリやで。
それと、神話の世界を現代に蘇らせたようなユニークな文章と世界観にもぐっと来たわ。昔、神話の本読みまくっとった時のワクワク感と懐かしさを思い出したんや。
難しい漢語だらけのお説法みたいな語り口は、今どきの小説とは違うし、えらい新鮮やった。
全体的にややこしいんやけど、なんかどんどん先が読みたくなるねん。ずっとお説法聞きとうなってまうわ。これはあかん、わてもそろそろ悟りの境地に近づいとるんちゃうかって思うくらいやわ。
…続きを読む - ★★★ Excellent!!!仏様がイチャイチャします(*ノωノ)
皆様が何処かで憧れている最強武神・毘沙門天様がこのお話の主人公です(`・ω・´)シャキーン
そう、仏様の物語。なのですが、作者様がご自身のあらすじタイトルでも語っておられるように「カミvsホトケinインド!対立する正義、荒ぶる邪鬼と化すのは誰か……」と、インド・中国・日本で毘沙門様がシルクロードを旅しながら、何とか神と仏の戦いによる世界の滅亡を阻止するために奮闘する英雄譚なのです!
正直、冒頭は、私のように仏教の教えに乏しい方は少し難しい入り方をするのかもしれません。ですけれど、そこからは、作者様の美しい世界描写と、ライトな仏門の表現で分かりやすく、その世界に気が付くと没頭しているかと思…続きを読む - ★★★ Excellent!!!皆生き生きとして、面白いが詰まってる!
まず、もし宗教関係者、心よりみ仏を信心なさってらっしゃる方のお目に触れましたら、ご不快にならぬようお願いします。と一言、このレビューを書くにあたりまして、申し上げておきます。
いいですかぁーっ! これは仏と人間くささが融合したスペクタクル一大活劇なのです。
主人公:毘沙門天。非常に強い。男らしい。頼りになる。そして子供っぽく拗ねる。打算もあるし、げっぷだってするし、奥さまには所有欲むんむん。
影の主人公:帝釈天。ヴァジュラ格好良い。立ってるだけで色気むんむん男。仏法を心から愛す護法神。しかし不憫属性が激しく、次々に不憫が彼を襲う。
悪のボス:大日如来。教祖たる釈迦如来に嫉妬してる。そし…続きを読む - ★★★ Excellent!!!豪華絢爛たる神々の群像劇に酔いしれる物語
並ぶ文字が、文章が、金色に光る。神々の言葉から花が咲く。考える前に読んで欲しいと思う物語だった。
まさかの神様を題材にした物語で、詳しくないけど楽しめるだろうか、と不安だったのですが、その不安は杞憂でした。
もう神々の織り成す群像劇。どこか人間臭い神様達のやり取りを美しい文章と共に堪能することが出来る物語だ。
流麗でどこか耽美な文章はより一層深く、神々の生きる世界へと誘ってくれる。詳しくなくても充分に楽しめる物語は、詳しくなった時にまた、新たな発見をすることが出来ると思うと楽しみが増えた。
豪華絢爛。色鮮やかな物語だ。
時に手を止めて神様達の姿を思い浮かべる。指先から足先まで鮮明に浮かぶよう…続きを読む - ★★★ Excellent!!!つまりは、人間以上に人間臭い神仏による壮大な喧嘩のお話です
簡単に言ってしまうと神仏たちによる勢力争いを描いた群像劇です。
天竺・須弥山での栄華に陰りがでてきた仏法の宗門。護法の王である帝釈天は、最高武神・毘沙門天に東の地への仏法伝道(販路拡大)を命じます。しかし、これには裏の目的があり……。
出てくる神さま仏さまは、どれも聞いたことのある名前ばかりですが、皆おちゃめで人間臭く憎めない。
都合の悪いことは聞かないふり。裏でコソコソはかりごと。分かっちゃいるけど、言い出せない。挙げ句の果てには裏切ったり、裏切られたり。
つまりは、これは神仏による壮大な喧嘩の物語なのです。
とは言え、神仏界の世界観やそれぞれの神仏の持つ背景などは緻密に…続きを読む