婆羅門と仏門、それぞれの存亡を賭けた戦いが始まる
- ★★★ Excellent!!!
対立するデーヴァの神々の勢力に押され、その栄華に陰りが見え始めた仏門の世界。その窮状を打破すべく、如来たちが恐るべき奸計を巡らせる。
これを阻止せんと立ち上がったのが帝釈天(インドラ神)、そして日本では軍神・上杉謙信が信仰したことで名高い毘沙門天であった──
インド神話と仏教をベースとした世界観で繰り広げられる群像劇。デーヴァの神々も仏門に下りし天部たちも皆、一癖も二癖もある個性派ぞろい。多神教ならではの人間臭さをこれでもかと感じることが出来る。
単純なる善悪で物事を計ることは出来ないが、一つ言えるのはデーヴァの神々にも、仏門の者たちにも"正義"があるということ。それ故に情勢は混迷を極めてゆくことになる。
生き残るのは神か、仏か。世界を巻き込む戦いの果てに何が待っているのか。自信を持ってお勧め出来るファンタジー超大作。