つまりは、人間以上に人間臭い神仏による壮大な喧嘩のお話です

 簡単に言ってしまうと神仏たちによる勢力争いを描いた群像劇です。

 天竺・須弥山での栄華に陰りがでてきた仏法の宗門。護法の王である帝釈天は、最高武神・毘沙門天に東の地への仏法伝道(販路拡大)を命じます。しかし、これには裏の目的があり……。

 出てくる神さま仏さまは、どれも聞いたことのある名前ばかりですが、皆おちゃめで人間臭く憎めない。
 都合の悪いことは聞かないふり。裏でコソコソはかりごと。分かっちゃいるけど、言い出せない。挙げ句の果てには裏切ったり、裏切られたり。
 つまりは、これは神仏による壮大な喧嘩の物語なのです。

 とは言え、神仏界の世界観やそれぞれの神仏の持つ背景などは緻密に設定されているので、神話としての読みごたえはズドンとあります。
 神話好きも、そうでない人もきっと楽しめる神仏ロマンです!

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