神も仏も在るんだよ

本作は古代インドの世界を舞台として、東方への仏教伝来を神や仏の視点から描いた物語です。
かつてのヴェーダ神から信仰の座を奪ったかに見えた仏教勢力でしたが、目まぐるしく移り変わる衆生は再びバラモン教へと回帰を始めます。
それに危機感を覚えた帝釈天や釈迦如来たちは、毘沙門天に命じて東方への布教を画策するのでした。

非常に難解な古代インドの宗教情勢を、専門的な用語や語り口を駆使してエンタメ要素を交えながら綴っており、その特異性は書籍化作品も含めて、他の追随を許さぬほどにバイタリティに富んでいます。
難しい作品ですが、それ以上に凄い作品なので一読することをお薦めします。

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