泥くさいほどの人間(人間じゃないけど)群像劇

タイトルに騙されてはいけません。
タイトルだけ見ると、何やら高尚な戦いの記録のように見えますが、中身は実に人間くさい(人じゃないけど)神仏たちの、愛憎こもった群像劇。

信仰という量と純度の問われる複雑なリソースを巡っての陰謀あり、策謀ありの展開は企業ドラマも真っ青です。
その中でも、高潔であろうと抗う者がいる。その志の輝きがなんとも切ない。

それを上質な翻訳者が読み解いた演義もののような、心地良い調子で語られるのだから、どんだけ詰め込んだいるんだよと言いたくなります。


物語に酔いたい方、ここにイイブツ、ありますよ。

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