黄鱗きいろ

かくして一人前の 市役所職員となった東雲タマキは、 自称先輩の鳥羽シータとともに、 厄獣指定都市「トコヨ市」で 騒がしい日常を送っていた。 そんなある日、 二人のもとに現れたの…

厄獣。 それは害獣の枠組みを超えた生ける災厄。 古くは神や鬼や妖怪と呼ばれていた存在。 30年前から歴史の表舞台に出てくるようになったそのバケモノたちを、 日本国政府は元凶であ…

『なんでもきらきらクリーニング店』は、清掃下請け業者である。 しかしその裏の顔は、心霊案件を取り扱い、時に闇バイトを斡旋する「心霊下請け業者」だったのだ！ 迫り来る数々の心霊現…

少年、雛が目覚めると、そこは「黄泉平良坂」というこの世とあの世の境目だった。 なぜ自分はここに？ もしかして自分は死んでしまったのか？ そこに現れた白髪の麗人、形代は告げる。 …

「え、じゃあ和菓子せんせは俺のこと大好きってこと？」 「君のことが大嫌いってことだよ。この賢いだけの不良少年が」 聖母子学園、高等部。 全寮制であるこの学園には、「生徒の完全庇…

とある古びたペンションで主人が殺された。 殺人事件に恐れおののく人々だったが、第二の事件が起きてしまう。 探偵、六梨モキョがホウ酸団子を食べた変死体で見つかったのだ。 それを見つ…

第二部更新始めました。 自殺判定士、曽根崎都弦は厭世的な雰囲気に似合った自殺癖の持ち主だ。 その自殺未遂のたびに、友人の六文銭村正は悲鳴を上げながら彼を救う日々を送っていた。 …

パペット探偵、小鹿ひばなは金欠に悩んでいた。 事件が起きない。依頼がない。 このままでは家賃も払えず事務所を追い出されてしまう。 そんな中、一人の依頼人が事務所を訪れる。 「私は…

2021年3月10日にカドカワBOOKSより書籍版発売。 https://kadokawabooks.jp/product/hainomachi/322011000277.htm…

様々な大人の事情に翻弄された結果、聖女であるリリューンは勇者パーティを追放された。 魔法の源である「声」が使えないよう念入りに喉を潰され、毒の沼に突き落とされたのだ。 ところで…

――芹沢アザミは傀儡探偵である。 というのも、事件の推理をするのはもっぱらショタ探偵のアザミではなく、助手の桜椿子（男）なのであった。 しかし、それは周知の事実。 依頼人として…

薄暗いサイバー都市。 ションフという青年は、とある依頼を持ち込むためクラッカー（ハッカー）を訪ねる。 薬中のクラッカーはのらりくらりとした態度でそれを出迎えるが―― 「美形が鼻…

「お嬢さん。アナタは絵を描きたいですか？」 現世から流れつく『モノ』たちが住まう異界に、少女はいつの間にか迷い込んでいた。 少女が出会った『絵巻屋』と『化身』と名乗る青年たちは…

神が住まう山と人里が存在する世界。 『夜鷹』の一族は、醜い姿のせいで姉鳥たちにいつも馬鹿にされていた。 ある時『夜鷹』の娘は、美しい人間の少女に出会う。 少女に恋をしてしまった娘…

一九九九年、七月。『竜崎千鶴』は殺された。 黒魔女と呼ばれる彼女を殺したのは、彩音、涼子、塩田、ゆき、水橋の五人だ。 彼女の祟りなのか呪いなのか、共犯者たちは次々と怪死していく。…

人でなし：人情の欠落した人、酷薄な人、冷酷非道な人、という意味で用いられる表現。人ならば誰しもが持ち合わせていると言い得るような優しさや思いやりの心を持ち合わせていないかのように…

まさかここまで自作で拗らせるとは思わなかったきいろの限界オタク日記です。 本編 「人でなしたちは推理をしない〜人間殺しとパペット探偵〜」 https://kakuyomu.jp…

幼い少年はドレスに恋をした―― 星の光を紡いで織り上げた布には神秘が宿る。星の布エトワールによって作られたバトルドレスを纏う女性たちの名は戦姫（ドレッサー）。 これは、ドレスに恋…

ある夜、主人公東野のもとに友人から助けを求める電話がかかってきた。 「人を殺してしまった！」 「分かった、待ってろ」 彼と友人が山に死体を埋めに行くと、そこには先客の女性二人組が…

皇帝譲位により、平制（へいせい）から令倭（れいわ）へと移り変わる狭間の時代。 それまで「制約により平らげられてきたナニカ」は、「勅令によって倭たるモノ」へと在り方を変えることを迫…

根津美術館にて開催中の特別展「酒呑童子絵巻」。その開催を知った瞬間、私に衝撃が走る――！！ 拙作アヤカシ記者シリーズにはシュテンちゃんというキャラがいる。 名前の通り酒呑童子であ…

可愛い子にはごはんを食べさせたい。幸せな気分になってほしい。可愛いねえ……可愛い……。ほら、まだまだあるよ。お食べ……。 ただただ可愛い子がごはんを食べるだけです。 デイリーご…

『浮遊する時計塔《クロキシア》』に住む青年ヒロは、幼いころに親友の少女クロナを何者かにさらわれてしまう。 泣き虫だった自分、強気だったクロナ。あの時、自分が彼女の手を離したりしな…

美少女を崇めよ。それが、美少女型コロニーに住まう人類の信教である。 遠き未来、人類は『美少女型コロニー』より生成された『小型美少女艇』に乗り込み、調査や採集を行う日々を送ってい…

　チョコレートが貨幣と化してどれだけの月日が流れただろうか。 　人々はカカオの実を奪い合い、繁華街ではワンナイトチョコレートが頻発している。 　そんな中、街の片隅に住む少年少女た…

これは――とある時代のとある街に住む、一人の美少女教徒が記したエッセイ。 それを受信した何者かが文字に起こした謎の文書群である。 これ↓で味を占めた筆者が日記を兼ねて架空の美少…

霧と常夜の区域、『暗都』。 鬼が住まう特区であるその街に、布施下外彦（ふせした・とつひこ）と降姫（ふるひめ）は足を踏み入れる。 『鬼の欠片』を取り込み、ほとんど鬼と化してしまった…

ある日、とある会社のプログラマーである鮎喰史郎（あくい・しろう）は、見知らぬ男に告白される。 「俺、あなたのことがずっと好きでした」 「付き合ってくれとは言わない。だけど――」 …

数千年後の未来。 都市国家間の戦争には≪魔鎧≫というパワードスーツが使われていた。 戦争終結後も≪魔鎧≫をまとう≪魔鎧師≫は養成されている。 名乗りを上げての決闘が美徳とされる≪…

森にたたずむ何の変哲もない一軒家。それが10年前に魔王を倒して世界を救った勇者の家だった。 しかしこの勇者、とにかく多忙で家にあまりいられない。 その代わりにお留守番をしているの…

多種多様な美少女が人間を食べます。 おいしい！

とある未解決事件を追いすぎて左遷されてきた主人公ブラッド。左遷先の課には一人の刑事しか所属していなかった。しかもその刑事、信じられないほどのビッチだった。仕事だからと仕方なく協力…

廃嫡公女。赤毛の悪魔。悪辣なるマリアステラ。 悪名を欲しいままにする貴族の少女マリアステラには、時折屋敷を訪れる客人たちがいた。 「事件です、マリアステラ嬢！」 スコットラン…

音楽をプログラミング言語として採用した都市国家「メロディアス」。 そこでは細かな電子機器からセキュリティに至るまで全てのプログラムが音楽によって構成され実行されていた。 そんな都…

逆立ちパスタ様がカクヨムで公開されている 「溝の口で会いましょう」 https://kakuyomu.jp/works/1177354054884823355 の二次創作作品です…

とある鄙びた駅。 本来は中型宇宙船が通るべき、塗装の剥げた重力制御装置の道に、 当然といった顔で滑り込んできた一頭の白銀の龍。 駅長の少女は龍に名を問う。 「そこの船舶、名前は…

舞台は昭和初期。 とある館で殺人事件が起こった。 偶然現場に居合わせた探偵の霧島十歩は事件の捜査に乗り出す――と見せかけて、犯人をすぐに言い当ててしまう。 何を隠そう、この霧島十…

　学校の裏山に重機が入っていく。あの山は木を倒され、土を崩されて、住宅街になるのだという。六年生になったぼくは、教室の窓からそれを眺めていた。 　真冬の山道、プレハブ小屋、セーラ…

薮内あおいはアヤカシ記者の弟子の女学生である。 ある日、あおいは幼い頃に友達だったという少年に出会う。 少年の態度をみるに、少年はどうやらあおいに恋をしているようで――？ 仮想…

【完結！】 「わたしはアンバー」 「トシロウ、わたしを逃がして」 ジェムと呼ばれるドラッグが蔓延した街「霧の都」。 極度に発達したサイバー技術に依存するこの街では、アウトローは…

エンバーミング。それは死体に防腐処理を施し、永劫この世にとどめ続ける技術。 エンバーマーの家に生まれたノゾムは幼い頃からエンバーミングの訓練を受けていた。 ある日ノゾムは、祖父の…

昭和初期。母と死別した士族の少年は、新しい母様に懐けないでいた。そんな折、屋敷で同居していた女学生に「姉様」と呼ぶように言われて―― 「いいよ、お前にも姉様をやるよ。はんぶんこ…

夏の終わり、ヒグラシの声。 ぼくと六人のおねえちゃんたちは、一つ屋根の下に暮らしていた。 大人の目。無邪気な声。ぼくを愛するおねえちゃん。 幸せな世界は、ぼくにとってだけ憂鬱なも…

裏島正雄はただの新聞記者ではない。 この世の不思議を記録する、アヤカシ記者なのである。 ある日、裏島のもとに一件の取材依頼が舞い込んだ。 なんでも死んだ大旦那に化けた化猫が夜な…

ギークの少年ミカミはある日出会った少女キトによって電子戦士＜＜サイバーヒーロー＞＞にされてしまった！ サイバーヒーローは街をおびやかすバグと戦うのが使命。 そんなものになるつもり…

これより語るのは、始まりの物語。 人の世の始まりにして、神の世の終わりの物語。 土に埋もれ、森に覆われ、次の逸脱者によって見出されることを待った物語。 決して人の世にては全てを語…