彼岸の金魚

作者 黄鱗きいろ

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★★★ Excellent!!!

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 キャッチコピーの「ぼくのおねえちゃんは女子中学生だ。観賞用の、女子中学生だ」という言葉に引き寄せられて、読んでみた。

 主人公「まーくん」と「お姉ちゃん」が楽しげに遊んでいながらも、いなくなってしまう悲しさ。
辺りを紅く染める彼岸花、どこか寂しげなひぐらしの声、風景が目に浮かんできます。
 自然ばかりではなく、無機質な部屋、無感情な男、SFも含まれており、淡々と混ざり合っている。
 
 独特な世界観で、切ない気持ちになります。

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★★ Very Good!!

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サクサクと読めて、全体的に流れる仄暗さや後ろめたさ、禁忌感が美しいお話でした。残酷描写あり、とのことでしたが、そこまで問題があるほどではなく、必要な描写だったと思います。虚無感に包まれるラストに胸が詰まりました。

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★★★ Excellent!!!

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ひぐらしの鳴き声が登場するホラー風味の作品と言えばそれだけで期待感を持ってしまう。
たとえばそれは『イリヤの空、UFOの夏』がそうであったし、また表題そのものがずばりである『ひぐらしのなく頃に』も思い出されよう。

本作は6人の「姉」に囲まれた「弟」である「ぼく」の視点から描かれる。といって、田舎を舞台にしたホラーでないところが重要で、実はこの作品の舞台は宇宙船の中であり、「ぼく」と「姉」たちはその中で養殖された観賞用愛玩物、いわば「金魚」のような存在であったのだ。

だがこの作品では、たとえば『GANTZ』がそうであるように、「金魚」たちの反抗が描かれるというわけではない。
ただ、愛玩物として滅びていく姉たちの姿と、それに心を傷め、最終的に宇宙に身投げする「ぼく」の凄惨な生き様が、ある意味で淡々と描かれるだけだ。

だが、その叙情的な筆致には卓越したものがあり、我々はこの作品を自然に読まされる中で、その静かな狂気と悲しみに身を浸してしまう。
さながら金魚鉢に入れられたかのように。

(必読!カクヨムで見つけたおすすめ5作品/文=村上裕一)

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★★★ Excellent!!!

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この作品は「弟」と「おねえちゃん」で無ければ成り立たない作品だと思いました。
SFちっくで、またホラーでもあり、しかしそれがどちらにも落ち着かない、何処か排他的な雰囲気すらも伺える作品でした。
一瞬一瞬を見詰めないとそれこそ居なくなってしまいそうな情景、刹那さと、それに比例するかのように何故か込み上げる切なさに涙が溢れそうになりました。
わかってはいましたがきいろさんの作品が大変大好きです。これからも頑張って下さい。

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★★★ Excellent!!!

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僕には6人の姉がいた――という場面から始まる短編小説。全く、どこに着地するのか分からないストーリーに、ぐいぐいと引き込まれました。

一体、どうしたら、こういう話を思いつくのでしょうか。作者独自の世界観なのに、それを当り前のように提示してきて、こちらも、当たり前のように受け取ってしまう。そういう魅力のある小説です。

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★★ Very Good!!

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せつなくて悲しい物語です。
序盤はほのぼのとしていますが、『ぼく』には異様な役割があることが明かされていきます。そして姉たちにも……。

SF的な設定があり、それが異様な役割、異様な姉たちの関係をつくりだしています。
(SFが苦手な私でもすんなり受け入れられる世界観でした)

悲しくも、綺麗な物語です。せつない話が好きな方、読んでみてください。

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★★★ Excellent!!!

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 この作品は異様な光を放っている。ジャンルも説明もホラーだと思っていたら、違った。
 これは悲しい、哀しい、SFファンタジーだ。
 のどかな情景描写がある分、SFの残酷さが際立っていて、「主人公」や「姉」の心理描写に涙する。
 短編ながらここまで書ききった作者は素晴らしい。
 ホラーやSFを敬遠なさっている読者様方、是非、この美しくも悲しく、そして優しい物語に心打たれてみてはいかがだろうか?

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