概要
あの時、本当は何があったのか、ぼくだけが知っている。
学校の裏山に重機が入っていく。あの山は木を倒され、土を崩されて、住宅街になるのだという。六年生になったぼくは、教室の窓からそれを眺めていた。
真冬の山道、プレハブ小屋、セーラー服の少女、人蝋、そして炎。
あの時、本当は何があったのか、ぼくだけが知っている。
真冬の山道、プレハブ小屋、セーラー服の少女、人蝋、そして炎。
あの時、本当は何があったのか、ぼくだけが知っている。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!もう無理ッ!!(笑) うまい!
怪奇小説(ホラーでない)や、因習に捉われた事件を題材にした昭和期の小説、手塚治虫の怪奇っぽい、やるせないような内容を描いた作品の余韻が好きな方なら本作のみならず、この作者さんの作品を読むといいと思います。
本作はこの作者さんの描く、その手の作品の傾向を凝縮していると思います。
ポジティブとネガティブ、yesかnoかではなく、曖昧さを肯定できる方は是非どうぞ。
そう言う意味では大衆受けしないと思いますが、こう言った作品は書き続けていただきたいと思いました。
『静』や『間』の表現が上手く、シチュエーションや雰囲気の構築に関しては天才だと思います。
とりあえずスベスベケブカガニのファンですッ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!燃える、燃える、少女のうつくしい身体が燃えて溶けてゆく
小学生の少年である主人公が、小屋の中でうつくしい少女と出会うお話です。
最初から謎めいている彼女、あっと驚く秘密をもっていますが、その現実離れした設定が何とも美しく、なまめかしくもあり、読んでいてこちらの気持ちがふわふわしてきます。きっと読者の私もレンくんの気持ちを追体験したのでしょう。
憧れのきれいなお姉さん、幻想的で甘美な空間――良くも悪くも、この記憶はレンくんの心の奥底で火をくすぶらせ続けるに違いありません。
リアルに想像すると多少グロテスクにも思えるのかもしれませんが、私の頭に浮かんだのは、徹頭徹尾耽美で甘美な世界でした。