夏のお話らしい寂しさと、真っ青な空の鮮明なイメージが良いノスタルジックなお話でした。一言で雰囲気を説明すれば寂しいとか切ないとかそういう感じになるのでしょうけれども、奥さんが可愛らしく描いてあるせいか、そんなに一口に寂しい話じゃないように思いました。だって彼は、新しい夏に落ちたのだから。
最高に切なく完璧に整った会心作! 田舎特有の閉鎖性と心を閉ざす少年、入道雲のどっしりした質感。不思議な少女の台詞にはセミの伴奏。頬を撫でる熱い風に過ぎ去ったビー玉の味を聞け!