「声 雪」を含む小説

現在20歳無職の主人公、文月創志は高校三年生の頃突如理由もなく自殺した当時の彼女、鹿海雪に負い目を感じ、未だに引きずっていた。 ある日、騒がしい蝉の声が聞こえ、大量の本やごみが乱…

都内の専門商社に勤める「観月 小百合（みづき さゆり）」は、幸が薄い女。三十路を迎えたのをきっかけに、彼女は将来のことを真剣に考え始める。 婚活パーティーに参加した小百合は、そ…

毎年春になると、桃色の雪が入り込む病室で僕は君に出会った。僕は君の声も名前も知らないはずなのに、何故か君のことを知っていた。 高校二年生だったはずの小林 駿(こばやし しゅん…

おとぎ話に似た、けれど日常の中にありふれた恋の連作短編集。 第1話　『マロウブルーの効能』 「お名前を伺ってもよろしいでしょうか？」 カフェで働く莉亜は、文通相手の有紀に励ま…

　ナイフによる連撃が空気を割き、幾重もの光の帯が伸びる 　修人は寸ででかわし、後ろへ飛びのくが 　じわじわと壁に追い詰められ、逃げ道を奪われていくのも確かだ 　 　ジャリ 　「…

｢想像だけどこの本は国を移動してるんじゃないかと思う｣ 一冊の本を手にかつて弾んだ声で友人が言った。 英会話サークルが縁で出会い、親しくなった「僕」と年上の「友人」。 ある日…

　これは俺と少女の物語。儚げで優しく、健気で繊細な、胸がツルペッタンコで顔立ちの整っていない不幸な少女と、それを見守る勇敢な俺の物語だ。 　それはまるで、雪山で遭難した小屋の中…

若き航空自衛官の雪也は、任務中に謎の白い光を目撃した。 光の正体を探ろうとたどり着いたのは、福島県にある縄文時代の遺跡。 復元された竪穴住居の中に入ると、誰もいないはずの遺跡で、…

　一四年前。 　「人間との子ができた」話は魔王レジストリアの衝撃的一言から始まった。魔族、人間、エルフが大陸を三分する中で、魔族と人間との交わりは禁忌である。宰相ガトはその子の…

日常？非日常？それは狂気なのでしょうか…… いつからだろう。夢を諦めたのは？かかえきれない夢を持って、叶えたいのはどれだかわからなくなって。いつしか、コンビニのバイトに成り…

　魔術、精霊、古き呪いが息づく大地、アンティオキア。その北方、海に面してまでに広がるのは≪声無き森≫―――――音すら吸い込む白く雪深い森の中、一人の狼男が住み着いていた。彼の者は…

ファンタジー小説ばかり集めた短編集です。 4,000～8,000文字くらいの読み切りファンタジー小説、自選アンソロジー。 　第一話　不思議巫女　響子 2011年「東北地方太平洋…

次第に体の自由が失われていく。 歩くことも笑うことも声を出すことも、彼にはもうできない。 でも、あたしを愛してくれることは、まだできる。 眠りにつくその瞬間まで、彼はきっと愛し…

女好きの大学生雪緒は、春という相手がいるというのに、浮気でフラフラしてばかり。 そんなとき、大学の常夜灯（巨大）に手を合わせにくる女性が現れ、それが絶世の美女だったからたまらない…

戦国時代末期、後の始皇帝である秦王・政に挑んだひとりの男がいた。撃剣の名手にして羽声の力で人の心を自在に操る侠客・荊軻と彼を迎え入れた北方の国・燕、そして燕の歌姫・雪蘭に待ち受け…

この作品は脚本形式の文章です。 『湖』を題材として書いた20枚シナリオです。 【登場人物】 山ノ目悟（17）　　……　高校二年生の男子。 山ノ目鋭輝（46）　……　悟の父親。 …

体を貫くような寒い冬のことだった。深々と降り注ぐ冷たい雪から逃げるように人々は足早に帰宅をする。 そんな冷たい路地からは小さな女の子の声が響いていた。 彼女の声に人々は目もくれ…