主人公は福島の縄文遺跡に観光に訪れていた。しかし遺跡に着くと、どこからか助けを求める声が聞こえた。その声に導かれるように、主人公が土葺屋根の縄文の家に入ると、そこは縄文時代だった。
そして助けを求めていたのは、無理矢理、別の村の村長のもとに送られようとしていた一人の巫女だった。巫女を助け、一緒に逃げた先の村では何と、巫女と勇者と犬が村を救うという伝説があり、主人公は勇者として認められてしまう。縄文時代の慣習や常識に戸惑いながらも、巫女と過ごす内に、主人公はいつの間にか巫女に惹かれていくのだった。
しかし、そんな平穏は長くは続かなかった。巫女に、別の村の巫女が呪術勝負を挑んできたのだ。しかもその対象は主人公の病を治すことだった。そして縄文では負けた巫女は――。
果たして、勝負の結末はいかに⁈
そして時代を隔てた二人の運命はどこへ向かうのか?
主人公は無事に現代へと帰ることができるのか?
詳しく調べ上げられた縄文時代の描写、その時代の巫女についての知識、そしてそれを体現するキャラクター設定。現代とのギャップも楽しめる一作だった。
是非、御一読下さい。