易水悲歌

作者 左安倍虎

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★★★ Excellent!!!

史記刺客列伝に登場する荊軻の話。なのですが……
この時代の最凶の人物である秦の始皇帝(まだ皇帝じゃないけど)を暗殺するために単に匕首で戦うのではなく、まさかの歌で戦うというアレンジに驚きました。
敵である始皇帝の恐ろしさも重厚に描写されており、その一方で歌姫雪蘭という女性キャラもいて花を添えており、史記に詳しい人もそうでない人でも楽しめる布陣になっていると思います。
カクヨムでは歴史時代伝奇ジャンルは最も冷遇されているけど、上質な作品は確かにあるので、多くの人に読んでもらいたいです。

★★★ Excellent!!!

面白いです。その面白さを陳腐な譬え話で表現する自分が情け無いのですが、閲覧者に伝えるならば、超時空要塞マクロス。リンミンメイの歌で文化に目覚める巨人達。本作品はマクロスより遥かに高尚です。近寄り難いと言う意味ではなくて、大人の読書に耐え得る内容の骨太さが有ります。不案内ですが、アメリカやフランスの国歌は独立軍や革命市民の行進曲ではなかったでしょうか。歌には馬鹿にできない力が有ると、確かに思うのです。
秀逸な点は、終盤での雪蘭の台詞。主人公よりも存在感を示して物語は終わります。
雪蘭の義父の目論見も読者をニヤリとさせるでしょう。良く出来た物語です。

★★★ Excellent!!!

一気に読みきってしまいました。
史記において真っ先に名前をあげられるこのエピソードですが、それに見事な味付けをして原作の味わいを更に男らしく美しく仕上げています。
登場人物全員が己の道を貫き、そして死に、また生きる姿は読んだ人の心を震わせることでしょう。
そう、それはもう還らぬ壮士の歌声の如く。

★★★ Excellent!!!

始皇帝暗殺といえば、小説も映画もこれまでに何度となく作られている主題ですが、本作は「刺客列伝」にも記された荊軻の歌の才にフォーカスし、それを一種の異能のように見立て再編した物語です。
本作においても始皇帝暗殺が最も大きな山場のシーンとなりますが、飽くまでフォーカスは歌に合わされていて、言ってみれば史実によって最初からバッドエンドが定められている物語に独自の拡がりと希望を見せています。
歴史物という定められた枠組みの中で、新たな物語を紡ぐという真正面からの取り組み。ラストシーンの儚さと美しさを、ぜひ確かめてみてください。

★★★ Excellent!!!

カクヨムで本格的な歴史小説ってあんまり見かけないなと思っていた矢先に来ました。
春秋戦国時代の話、燕と呼ばれる国の人々が秦に立ち向かうために戦うというストーリーで、史実を読めば先は見えているのですが、そんな事は気にならないくらいのストーリー展開と描写で面白い。
史実を知っている人も、知らない人もどちらにもお勧めしたい作品です。
実際私は知らなかったのですがこの作品を読んで中国史に興味が湧いてきました。
読みましょう。