カクヨム歴史ジャンルにマジに真正面から歴史物で挑む意欲作

始皇帝暗殺といえば、小説も映画もこれまでに何度となく作られている主題ですが、本作は「刺客列伝」にも記された荊軻の歌の才にフォーカスし、それを一種の異能のように見立て再編した物語です。
本作においても始皇帝暗殺が最も大きな山場のシーンとなりますが、飽くまでフォーカスは歌に合わされていて、言ってみれば史実によって最初からバッドエンドが定められている物語に独自の拡がりと希望を見せています。
歴史物という定められた枠組みの中で、新たな物語を紡ぐという真正面からの取り組み。ラストシーンの儚さと美しさを、ぜひ確かめてみてください。

その他のおすすめレビュー

大澤めぐみさんの他のおすすめレビュー159