「またたび」を含む小説

人よりちょっと記憶力がいい晴人。スケジュール帳を見るたびに、昨年の同じ日に何があったかを思い出してしまう。だからこそ、2月29日は一世一代のアクションを行う日と決めていた。

団地と言われる集合住宅は、画一的なデザインのコンクリートが何棟も連なり、圧倒される。 住み慣れているはずなのに、薄暗い玄関や階段は上がるたびに足が重くなる。 ここで体験した不可解…

　過去を根に持つ方ではない碧は、良いことも悪いことも寝るとすっかり忘れてしまう。人を恨んだり深い妬みを抱いたりする人たちが苦しんでいるのを見るたびに、都合のいい性格だ、とつくづく…

　所詮つくりものだ。ただの演技だ。そう思っても、きみが演じている、きみじゃないはずの誰かを観るたび、僕の恋心はぷすぷすと空気が抜けて、ひらひらと風にさらわれてしまう。 ※関連…

自主企画「カクヨムコン5のイチオシ作品」に書いた、自作を紹介する文章です。『黄泉比良坂』を書きながら思った事などを綴って行きます。 『黄泉比良坂』URL：　https://ka…

　職なしの30代なかばの男。鈴鹿隼人が、ある日、意識を保ったまま倒れ、そのまま身体が動けなくなりやがて亡くなった。 　自分はなぜ生きていたのか？ 　自分はなぜ産まれたのか？ …

青空かおりは、高校を卒業後、いくつかバイトをしながら実家暮らしをしている女の子。結婚して20年以上も経つのに、未だに新婚気分の両親を見るたび、ほほえましいやらうらやましいやら、複…

　大宇宙にて誕生した魂たるわたしは、なぞの老爺にみちびかれて、アメリカの旅客機パイロットたる父親とスチュワーデスたる母親のもとに誕生する。が、父親が原因とされる墜落事故によって母…

大学に通えなくなり、ひとりで部屋にこもっていた青年ユージ。 先の見えない漠然とした不安の中、ほんの少しの気まぐれをきっかけに、ユージは中学生の自分を追体験する能力を得た。 そして…

主人公・九丹島 ミナトは、図書館の玄関ホールに突っ込んできた車に轢き潰されて、無残にもその命を散らす だが、彼の命運は尽きなかった ミナト自身すら知らぬ間に、時間が巻き戻ったのだ…

※自主企画、「１００質って憧れませんか？」の参加作品です。 2000年代初頭の個人サイト全盛期。WEB小説サイトやらイラストサイトやらで「質問答えてみた！」系の回答を見るたびに…

　魔法機関アルカナ。 　そこは才能ある者を育成し、世界の危機となれば人材を派遣する、魔法機関である。 　所属する人員は、世界の危機を救い、時に世界に絶望し、世界を危機に陥れる。 …

うちの子がメインじゃないお話

このたびめでたく大嫌いな王子から婚約破棄されました。 それはともかく、浮気したあげく冤罪押しつけるってなめてますよね？　誠意のかけらもありません。 それならば、あなた方の立場をき…

接点なんてないはずだった。あたしは地味な漫研部員、そいつはステージに上がるたび黄色い歓声を受ける軽音部員。 で、その手にあるのはうちの部誌だろう。なんであたしのページを的確に開い…

　相方を補佐するためにソーサラーになったクアゼル。冒険者なら誰にでも一つだけあるはずの強力な固有スキルが唯一《空欄》の男だった。味方に裏切られて死ぬも復活し、最強の固有スキル【転…

タイトルどおりの内容です。 アニメが好きで、ホラー小説をよく読む(たまにここにも投稿してる)筆者は、猟奇的な事件が起こるたびに、いろんな意味でドキッとします。 「もしかして自…

　死神。それは冥府への案内人。人の臨終に立ち会い、死者の魂を導く者。 　彼らは看取った死者の記憶を覗いてしまうがゆえに感情を持たない。そういう風に〝つくられている〟。来る日も来る…

　腹の調子が悪く、今すぐトイレに行きたいおれ。しかし自宅を目指すはずが、帰り道の途中で異世界転移させられてしまう。ウンコをするために、時間が過ぎていくたびに増していく腹痛を抑えて…

文章は書けても、絵は描けない。 美術の教科書とか見るたび、「この絵、何がすごいの？」といつも思ってた。 学生時代の図画・工作の成績はいつも五段階評価の3。 そんな著者が急に「絵が…