あの救いを、もう一度

大学に通えなくなり、ひとりで部屋にこもっていた青年ユージ。
先の見えない漠然とした不安の中、ほんの少しの気まぐれをきっかけに、ユージは中学生の自分を追体験する能力を得た。
そして、かつて不登校になっていた自分を救ってくれた恩師『クロダ先生』を思い出す。

クロダ先生にかけられた一言で、あの頃の自分は前に進んだ。

「僕は、先生になんて言われたんだっけ……」

何度過去に戻っても、その言葉だけが思い出せない。
過去に戻るたび弱く幼い自分と、その苦い思い出を見せられる。

耐えきれなくなったユージは、恩師にもう一度会うため部屋を出るのだった。
あの日かけてもらった……今の自分に必要な言葉を、もらうために。


※この物語は、作者の体験を元にしたフィクションです。
実在の人物、組織、団体、地域に一切関わりはありません。