何度生まれ変わっても俺の気持ちは変わらない 名無し

　相方を補佐するためにソーサラーになったクアゼル。冒険者なら誰にでも一つだけあるはずの強力な固有スキルが唯一《空欄》の男だった。味方に裏切られて死ぬも復活し、最強の固有スキル【転生】を持っていたことを知る。

　死ぬたびにダンジョンで亡くなった者として転生し、一つしか持てないはずの固有スキルをどんどん追加しながら、ソーサラーのクアゼルは最強になり、自分を裏切り、酷い仕打ちをしてきた者達に復讐していく。

　やがて復讐を成し遂げたクアゼルは、協力してくれたエリナという少女に対し淡い恋心と罪悪感を抱くも、穢れてしまった自分にはもう誰も愛する資格がないと考えてひっそりと自害する。

　新たな姿に転生したクアゼルは以前住んでいたアパートへ帰るが、そこで通り魔にエリナという名前の少女が殺されたとの情報をテレビで知り、教会へ駆けつけるも、親族のみしか面会できないと言われて追い返される。

　クアゼルはのちに自身の体が通り魔に殺害されたエリナの兄のものだと知り、再び教会へ向かうと殺されたのはやはり復讐に協力してくれたエリナだった。

　なんとか蘇生に成功するものの、エリナは記憶を失っており、クアゼルは彼女の記憶を呼び戻すべく、以前とは違う人格を持ったエリナとの奇妙な同居生活を始める。

　新たな人格となったエリナと打ち解けていくたび、記憶が戻ったら今の彼女が消えてしまうのではと考えて複雑な気持ちになるクアゼル。

　遂に記憶が戻ったエリナは、それまでの人格が消えることもなく、クアゼルとともにダンジョンにて兄の仇を討ち、念願の復讐を成し遂げるのであった。…続きを読む