うにゅほとの生活でおなじみ、八白さんの書いた傑作。
「原則と制約」という不可解な文言で始まり、終わる、本作品。
もし先に最後の「原則と制約」を読んでも、読者は何も思わないだろう。
だが、すべてを読み切って辿り着けば、意味がわかれば、胸がいっぱいになるはずだ。
「嗚呼、人でなしは人間になれたのだ」と。
既に他の方々がレビューしている通り、本作品の最も印象的な点は、ラスト三分の一のジェットコースターの如き怒涛の展開だ。
すべての謎が解き明かされ、しかしそれだけに留まらず、予測不可能の衝撃的な事実が次々と突き付けられる。
それは、決して、読者を置いてけぼりにするという意味ではない。
そこまで辿り着くことができれば、時を忘れて一気に読み終えてしまうことを保証する。
強いて欠点を挙げるとすれば、あの六人(七人)の日常を、もっと長く楽しみたかったというとろこである。
だが、登場人物たちに愛着が湧くのは読了後であるため、短くまとめた八白さんの判断は賢明だったかもしれない。
もし可能なら、事件など何も起こらなくていいから、エンディング後のわいわいした日常を読んでみたい。
そう思えるだけの物語、そう思えるだけのキャラクターたちだった。
お嬢かわいいです。
このレビューが、他の読者の呼び水になれば幸いである。
主人公を含め様々なキャラクターの個性が、それぞれとても魅力的に書き込まれている作品。キャラクター同士の何気ない会話から、切羽詰まった時の会話まで、きちんとキャラクターの個性や性格が生きていることが伝わってきた。
そんなキャラクターたちの魅力に目移りを繰り返す前半から、怒涛の後半に目が離せなくなる。大逆転と、予想の裏切り、予想できない展開、あっという間に読み終えてしまった。久しぶりに後味のいい読後感と、読み終えてしまった喪失感を感じた。正直、記憶を消してもう一度読み直したい作品だった。
あと個人的に、書いてくれるのであれば、それぞれのキャラクターごとにもっと・ぐっと焦点を絞った作品を読んでみたくなった。このかわいいキャラクターたちのその後やのどかな日常をもっと眺めていたいと思わされた。
いい作品をありがとう。今後も期待しています。