「狂気」を含む小説

　私の全ては、たった一度の喫煙で、あの女の手中に収められてしまったのだ。 　鴨羽の煙管で煙草を吸うと、どんな煙草も美味く感じる。しかし、この煙管で煙草を吸えば吸うほど、鳥頭にな…

　連合王国“諸王の王”ダンクーガは孫娘の命を守らせる為、遙か彼方の異国の地から知られざる恐るべき暗殺教団を呼び寄せた。 　陰惨な権力闘争から身を守るべく遣わされた狂気の使徒は野獣…

　これは遺書であり、告白文であります――。 　ある従者が綴った、主と従者の狂気の記憶。 　主と従者の性別は決めておりませんので、ご自由に想像していただければと思います。 　舞台…

十字軍騎士レオナルドは異端審問官として、グリンダム家に赴くこととなった。 そこでは既に、冒涜的で破滅的な儀式は終わり、人としての存在を終えた少女アレシアの狂気の鳥籠だった。

ヤマトが目覚めると、そこは見知らぬ倉庫。 しかも鏡を見ると、自分の頭が鍋になっていることに気づいて……。 同じく鍋を被せられた仲間たちとともに、ヤマトはこの状況を打破することが…

２０世紀末に発生した地球規模の大災害"大海嘯"で各国の沿岸都市がことごとく水没し、人類が敵性存在〈特定神話生物〉の脅威に晒された２１世紀の世界。ニューボストンの違法サルベージ業者…

「死ぬ前に、最後にやりたいことは何？」 出会って数秒、人が殺されるところを見てしまった僕を殺そうと、美しい狂気的な笑みを浮かべて近づいてきた殺人鬼の彼女。 「君と、付き合いたい」…

闇の者になることにあこがれるほど絶望の国ペルシャ。 異形になり果て、狂気を抑え、人間をなぶりものにしていく……。 そんな絶望の大地で異形になり果てた者どもと戦う勇者が居た。 そ…

「あの世が見える棺に入って、見えたものを教えてください」 　その仕事を境に、探偵・丹村乗は奇怪な出来事に襲われる。依頼人の失踪、記憶の食い違い、連続する悪夢、自らを蝕む狂気。 　…

【ヤンデレ中編小説】 従妹の死をきっかけに小説を書けなくなっていた現役高校生でライトノベル作家の芳次。 彼はある理由から、自分の作品の熱狂的なファンである鈴木円花のためだけに…

すごろくとカードゲームを合体させたようなゲーム内容で、選挙活動を通じて票の取り合いをするゲーム原案を小説に書き起こしたものです。 工数が多くなるのと、アイデアやロジックを練ってい…

男たちはすでに冥府の住人。されどその蘇りを望んで身を捧げた「大事な女」がいる。 女の身体と祈りを現世へ帰るための蜘蛛の糸にして、男たちは現世への帰還を目指して旅をする。 女の身体…

ある日を境に、一日は繰り返されるようになった。唯一の頼りは日付変更の十分前に提示されるスコアボード。人々は各々の「正解」を求め、正しい一日を送るべく日々精進する。 主人公の安来も…

　「俺」は、ひょんなことから親父を殺害してしまった。だが、その親父が実父でないことに思い至った「俺」は、他人が挙って「俺」の家族を名乗りたがる不思議な世界に飲み込まれて行く――（…

世界を蹂躙し、支配しようとする魔王、アナグラさんは勇者・康二達と対峙する。 「はははっ、よくここまで勇者達よ、さぁ世界の命運を賭けた最後の戦いを始めよう」 すると勇者は…… 「き…

「おい、知ってるか？　最近、墓荒らしが出たらしいぞ？」 宵の帳が降り始めた頃、マリアは不思議な噂話を聞く。 聞こえてくる話に耳を傾けたその時から、マリアは夜に囚われていく。 これ…

長引くコロナ禍により、わたしはテレワークとなり、一日中、自宅にこもることが多くなった。 誰とも会わず、ひたすらPCを前に書類を作成する毎日。 そんな不摂生のなか、ある日、何者かが…

フリーゲームの定番探索型ホラーアドベンチャーゲームを強制縦or横スクロールアクションゲームにしたらこんな感じかなぁという妄想のもと深夜のテンションで書いた短編です！ある意味狂気で…

　この世は眠り続ける神獣の夢の中である、と伝わる世界。 　そこで繰り広げられる、あるいは語り継がれる、いくつかの物語。 　物語に登場するのは、この世に降り立った神獣の現身（うつせ…

妻が亡くなってから、はや３年。 普段は、忙しすぎて、父は小さな娘と遊んであげることもできない。 夏休みには、親子水入らずで素敵な思い出を作ろう―― 父と娘は、穴場の清流に遊びにい…