「付き合いたい」と言ったら命拾いした僕の運命。

天城早雪

プロローグ

「死ぬ前に、最後にやりたいことは何?」


 狂気的な笑みに顔を歪めた、美しい女性。

 彼女の手には、既に鮮やかな血で濡れた

凶器──小ぶりの包丁が握られている。


「君と、付き合いたい」


 すると、彼女は少しだけ驚いたように、

透き通るような瞳と長いまつ毛を揺らして。

 もう一度笑って、頷いた。

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