「覚えていない」を含む小説

僕の記憶は二十五歳の夏で止まっている。いわゆる前向性健忘というやつらしい。 事故で損なわれた脳味噌は十時間より長くものを覚えていてくれない。 僕は覚えていない。家の場所も、昨日や…

　竜と人が共存する王国、ロルベーア。 代々竜騎士を務める家系に生まれ、自らもその道を志すリーゼロッテは、何の因果かドラゴンが生理的にダメという致命的な体質持ち。半径三十歩以内に入…

■あらすじ 　主人公はアルバイト先に後輩として入店した雨宮　灯と1年前に出会っていたが、その事を覚えていなかった主人公に灯は態度を硬化させてしまう徐々に灯の誤解が解けていきながら…

突如として世界中に現れた人類の敵＜アンブレッジ＞ 　＜アンブレッジ＞に対抗できる高い魔力をもった者が優遇される世界のなか、以前から魔法において名高い「羽紫家」の長男として生まれた…

生きている僕と、死んでいる君が出会った、ある夏の話。 壊れたエアコン、溶けたアイス、覚えていない今朝のご飯。 これは全部、夏に焦がれて、夏の歌を聴き過ぎたせい。 あなたの作った…

冴えない26歳女事務員 エアコンが壊れた寝苦しい夏の夜 扇風機で凌ぎ、翌朝目が覚めれば、14年前の自分になってた話

もう数年も前のことです。 家で10年近く世話をしていた子が老衰で逝きました。 その日、朝から妙な胸騒ぎを感じていたのを覚えています。 昼頃、私は仕事先であと一歩で命を落とし…

　過去のことは覚えていない。ただ俺に残ったのは、『俺』であるという自意識と蓄積の経緯を知らない価値観だけ。 　生まれて初めて目に入ったのは、母親と思わしき誰かの遺骨と、しわしわの…

私が散歩をしているとき、偶然花壇が目に止まりました。その時ふと「もしこの花が緑色だったらなんて不思議なんだろう」と考えがよぎり、書きはじめたのを覚えています。

異質な世界が書きたい、と思って極楽を書くことにしたのを覚えています。うまく書けたのではないでしょうか。

この世界には生まれなかったはずの言語の記憶に秀でた「魔導書解読士」エレン。海を渡って反対側の大陸を統べる帝国に仕えることになったと思えば、そこには死んだと思っていた１０年一緒に育…

妖怪と仲良くなりたい―― 安生恭平が何故そう思ったのか、何故今もそう思い続けているのか、もはや朧げにしか覚えていない。 しかし、幼い頃そう誓ったことは確かに覚えている。 手にある…

あれは小学校低学年の冬の日でした。

大都会東京・渋谷で会う人なんていちいち覚えていますか。あの小さな街に何人の人がいると思っているんですか。でも、それでも、覚えているとしたら。その覚えが何度も反復練習を繰り返したよ…

彼、久遠朱理には普通の人間には見えないものが見えてた。 それは幽霊、妖怪などのあちら側の存在の者達。 これは、そんな彼がある一人の少女の幽霊と、様々な怪異現象に巻き込まれる物語。

大学生の歩実-あゆみ-と慶太-けいた-は、帰り道、電車に揺られていた。 ‪降りる駅に刻々と近づく中、二人は取り留めのない話に花を咲かせる。 当たり前にある日常の、けれど幸せなひと…

売れない作家兼脚本家の高松賢介は、何でもできて誰もが羨む彼女、堀塚奈々に劣等感を覚えていた。そんな劣等感に耐え切れず、賢介は別れを切り出す。 そんな彼女が亡くなったと聞かされたの…

幼いころに感情を失くしたと思っている少女茜。 そんな茜は昔にある妖怪と約束をしていた。しかし、茜はそれを覚えていない。 そして時は流れ１６歳になった茜の前に姿を現したのは幼いころ…

父親から借りたパソコン。その返却期限は今日まで。 そこに保存されたものを移行しなければならないのに、一向に進まない。 求められるのはパスワード。 そんなものは全く覚えていない。…