素直に世界観に引き込まれました。この作品の夏は退廃的で排他的で、けれどもその先に何か希望が見えるような、そんな夏でした。そんな景色が登場人物の心象とリンクしたりしていて、面白かったです。主人公の心情描写が綺麗だと思います。
何故死にたいと思ったのか?上記を中心に主人公と彼女は会話を楽しみます。彼らはこの疑問に答えを出せるのでしょうか?とっても不穏なテーマについて語らっているのに、夏らしい爽やかな仕上がり。雰囲気の良い作品です。願わくは主人公にも彼女にも幸せが訪れますように。
生きてるが故に死を望む主人公と死んでいる彼女が、生と死の境目に向かい合い夏の間だけ互いを見つめつづけるような、素敵な距離感のお話でした。日を跨いでるはずなのに夕から夜に途方もない時間をかけて向かうような感覚に吸い込まれていきました。とても面白かったです。