概要
僕の脳味噌は妻の存在すら記憶できない。
僕の記憶は二十五歳の夏で止まっている。いわゆる前向性健忘というやつらしい。
事故で損なわれた脳味噌は十時間より長くものを覚えていてくれない。
僕は覚えていない。家の場所も、昨日やった仕事も、妻がいるということさえも。
代わりに背負った記憶装置が言うんだ「ここがあなたの家です。奥様がお待ちですよ」って。
カリプトラさん主催の自主企画『5メートルの可能性』参加作品です
https://kakuyomu.jp/user_events/1177354054897795613
事故で損なわれた脳味噌は十時間より長くものを覚えていてくれない。
僕は覚えていない。家の場所も、昨日やった仕事も、妻がいるということさえも。
代わりに背負った記憶装置が言うんだ「ここがあなたの家です。奥様がお待ちですよ」って。
カリプトラさん主催の自主企画『5メートルの可能性』参加作品です
https://kakuyomu.jp/user_events/1177354054897795613