「映る」を含む小説

３つの話。

花火大会の帰り道。その出来事。

ーー12月25日 私は産まれて間もない我が子を捨てた。 それは闇属性だからか、はたまた最愛の妻が亡くなったからなのかは今考えても私には分からない・・・ 目に映る全ての…

軌道エレベーター、大規模ジオフロント、世界共通端末。 ありとあらゆる未来技術を手に入れた人類が、起こしたのは単純な戦争だった。 一時の平和も戦争準備、安息の下では工作と汚れ仕事が…

　自らの母校で数学教師として働く主人公、原田 美雨。恵まれた職場環境、優しい恋人の存在。充実した二十代を過ごしていた。 　飲み会の帰り道、美雨はかつて青春時代の大半を共に過ごした…

この世界が異世界と繋がってから早10年。世の中はダンジョンやら本物の神様が現れてずいぶん様変わりした。 その変化は俺にも訪れた。上司にムカついて仕事を辞めた翌日。鏡に映る違和感…

　遠い北の国から、夏休みに一人暮らしの兄を訪ねて日本にやってきた双子の兄妹。淡い金髪に菫色の瞳の二人の眼には、普通の人には視えない「何か」が映るようで——？ 　気温も湿度も風習…

とある殺人事件が起きたアパートに警察と名乗る男がやってきた。 出てはいけない、とは言ったのだが彼女は着替えて追いかけると言ったのだが……？？？ 短編読み切りです。

死んで乙女ゲームの最弱悪役令嬢の中の人になってしまった『俺』 その気はないのに攻略キャラや、同じ転生者（♂）のヒロインとフラグを立てたりクラッシュしたりと、慌ただしい異世界生活し…

花房は引っ越してきた町の猫族の長ゴッフに連れられて集会所デビューすることになった。その為には入会儀式として肝試しをしなくてはならないのだという。その鏡にまつわるのは宇宙的恐怖。 …

高校二年生の結衣には、双子の姉の結愛がいる。二人は同じ身長で、同じ顔をしていて、違いがあるとすれば、結愛は髪が短くて、結衣は長い。どっちがどっちかなんて、二人以外見分けはつかない…

少女は鏡を覗き込む。 そこに映るのは奇妙な子供だった。

数多の世界と世界の狭間には境界がある。 そこには誰も辿り着く事は出来ず、誰も出る事は叶わない。 そこからは世界の過去、現在、未来。文字通り全てを見通す事が出来るだけだ。 いつから…

とあるオトコノコのお話。 ※以下、二つの自主企画に寄せて。 『第五回こむら川朗読小説大賞』 《テーマ：「男性の一人称小説」》 （https://kakuyomu.jp/use…

　浅くはばの広い川が南へ流れている。川の西には広い平野が広がっている。農地を挟んで一キロメートルほど離れたところに背の低い建物がちぢこまって集まっている。川の東に映画館がある。映…

汐里は32歳。4年付き合った彼と、別れたばかり。その上不治の病に侵されていた。高校の頃からの思い出を心の中でなぞっていく。 自分で壊してしまった宝物のような居場所へ、今帰りたいと…

横を歩く沙智のまつ毛から陽の光が溢れ落ちた。ゆっくりとこちらを見る薄茶の瞳。薄いシャツから覗く肌。時間が止まってしまえばいいのに。衣擦れの音が聞こえ蒼い匂いのする風が吹いた。揺れ…

とある不登校少年が、久しぶりに学校へ向かうと、体中に痣を作る少女：小夜の姿を見つける。不登校少年には、彼女の体中にある痣が夜に見え、まるで世界から彼女の存在が欠けているように思え…

　奇跡のような出会いだった。 　ガラスに映る自分の隣に、この国では珍しい黒い髪と目をした少女が立っていた。首には奴隷のようなチョーカー。