彼女の瞳に映る蒼、あるいは紺色の空

　自らの母校で数学教師として働く主人公、原田 美雨。恵まれた職場環境、優しい恋人の存在。充実した二十代を過ごしていた。
　飲み会の帰り道、美雨はかつて青春時代の大半を共に過ごした同級生・永野 春子と三年ぶりの再会を果たす。唐突に、美雨の家に泊めてくれと懇願する春子。彼女は、その日自ら命を絶つ予定であったにもかかわらず、美雨に呼び止められたせいで、その勇気を失ってしまったというのだ――
　かつて分かり合えなかった二人の不思議な同居生活が始まる。

　そして完璧だった世界が壊れる、そんな日までを、全力で駆け抜ける。



※未完の自作品『私の珊瑚と花紺青』の大幅改稿バージョンです。
※Appendix Aが抜けておりますが、本編は書ききっておりますのでとりあえず完結とさせていただきました。気が向…続きを読む