「風の音」を含む小説

白崎夜兎（しろさきやと）、享年19。20歳になる一月前に病床で息を引き取った。 ありがたいことに両親はその瞬間を看取ってくれた。だが罪悪感と後悔が死の淵に付きまとう感覚も確かに…

能の「砧」（きぬた）は遠く離ればなれになった夫婦のお話し。都へ行った夫を妻は故郷で秋の夜長に、砧を打ちながら待ち続けます。風情たっぷりの世阿弥の名作を、こちらでは夫婦のお話しでは…

　馬車で揺られること数日、目的地まであと少しだ。 　山林を抜けた馬車の先には、花が咲き乱れていた。そして遠くに城が見える。 　少年は、周りの景色の美しさに見惚れて、ついフルー…

何かに想いを吹かれるときは、心の風の音がする。

　……ぐらり。視界が揺れて霞む。呼吸をするたび、ヒューと風の音がする。 　意識がぼやけて、次第に混濁していく。もう、ここともお別れ。寂しくなって、腕を伸ばした。テーブルに、椅…

旧アメリカ合衆国　シャイアン・マウンテン空軍基地　0300時　空軍のC-8輸送機に、2足歩行人型兵器アーマージャケット（AJ)が次々と搬入されていく。ハイラスも自機AJに乗り込む…

　私はある日、真っ白な海岸でとても綺麗な水色の石を拾った。

＞若い頃、「世界を全て敵にしてもお前を守る」とかまじで言っていたもんだ、、若かったなー F22からのミサイル攻撃や試作品らしきUFOらしきものに追われながら、ひょいひょいとから…

少女は夜に目を覚ます。風の音に耳をすます。頬に触れる冷たい風を感じる。そして、美しい「声」が彼女に囁く。 ジャンルはどれが正しいのかわからないのでとりあえ…

「それなら明日から、一日に一回は秋葉に嘘をつくね。」 どんな人が嫌いなのかと尋ねられた私は、嘘をつく人が嫌いだと答えた。そんな私の答えを聞いて、そう言った夏彦。夏彦は、私のこと…

カクヨム３周年記念選手権『最高の目覚め』中学最後の体育祭。リレーのアンカーとして美加は走る。

咲良風無は13歳。学校も家族とも上手くいかず家出をしたはいいものの、目的地の森に入ると見知らぬ世界へ迷いこんでいた。 そこで出会ったのは、自分と全く対照的な少女、風満。彼女は自ら…

タイトルそのまま【あらしの夜に】をお題とした短編です。 9/5深夜。大型台風の風の音を聞きながら。

【淅瀝(せき-れき)】①雨雪や風の音。②落葉の音。③寂しいさま。（広辞苑 第六版） 兄に嫁いできた美人の義姉とその連れ子、《なあ》。 栗色の髪と灰の瞳の少年は、家族経営のスーパ…

“空から墜ちた時、彼女は新たな道を歩み出す。” 俺……いや、自分はオタで求職中な半ニートのフリーター。 因みにぽっちゃり（デブではない！）な見た目で自信の無い性別女だ。 …

　……ちゃん、眠れないの？　風の音がうるさいものね。台風がこっちに来てるんだって。……ちゃんは繊細だから、うるさいとなかなか寝付けないかもしれないね。 　うん、じゃあね、そした…