概要
「あと半年しか生きられないの。病気なんだ」
……ぐらり。視界が揺れて霞む。呼吸をするたび、ヒューと風の音がする。 意識がぼやけて、次第に混濁していく。もう、ここともお別れ。寂しくなって、腕を伸ばした。テーブルに、椅子に、花に、彼に、全ての思い出に。 伸ばしたつもりだった腕は、本当はピクリとも動かなかったが……私は笑って息を止めた。 * 廃屋に入り浸る少女・南は余命半年を過ごしている。そんな中で突如現れた少年と思い出を築きあげていくお話。
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