秋風が吹いたら

作者 朝田 さやか

75

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★★★ Excellent!!!

 泣きました。もう、ラストの一頁で泣きました。

 冒頭は、青春を模る恋愛ストーリーだと思いました。状況描写と心理描写が巧みで、引き込まれるように活字の世界に首ったけに。溢れる薫りと、美しい世界、聞こえる雑踏と声、それにまるでそこにあるかのように、キャラクターが生き生きと。

 なぜ彼は一日一回嘘を吐くのか。初めは矛盾しているようにも思えて、逆にその違和感に引き込まれてしまいました。相思相愛という状況において、なぜ敢えて嫌われるような行動を彼がするのか、と。

 徐々に解き明かされるカラクリに、思わず感嘆の声を上げてしまいました。

 本当に好きだったのですね。愛という言葉で締めくくるのは、いかんせん、忍びないのですが、彼の愛情に深く心で泣きました。

 彼女の心情を考えれば、ラストのシーンに涙するのは当然だと思います。

 移り行く秋の寂寥感が、一層世界を彩るような、そんなラストにも感動しました。

 とても、素敵な物語でした。

★★★ Excellent!!!

毎日、一つだけ嘘を付く、幼馴染。

序盤の話の展開から、もしかすると、よくあるテンプレの青春モノかなと思いましたが、浅はかだったです。

散りばめられた伏線が、見事に回収される終盤のストーリー展開の完成度、とても読みやすく、かつ、美しい文章は、カクヨムトップクラスと言っても過言ではないです。

約3万字の中編と、カクヨムだと露出の機会が少なく埋もれてしまいがちな文字数かもしれませんが、一人でも多くの人の目に止まることを願います。

★★★ Excellent!!!

小学生の頃、友達の夏彦から苦手なタイプを聞かれた秋葉が答えたのは、嘘をつく人。
するとそれを聞いた夏彦が言った意外な言葉。
「それなら明日から、一日一回、秋葉に嘘をつく」

夏彦は決して、秋葉に嫌われたいわけではありません。むしろ大好きと言ってもいいくらい。
では何故わざわざこんな事をするのか。それがこの物語の肝となってきます。

そして時が過ぎて、高校生になった二人。あの日以来、嘘をつき続けている夏彦と、そんな夏彦に淡い想いを抱く秋葉。だけとも二人の距離は、だんだんと開いていきます。

なぜ毎日嘘をつくのかと言う謎も見所ですけど、もうひとつ、キャラクターの心理描写も、この作品の大きな魅力。互いに惹かれあっているのに、心の距離に悩み、苦悩する二人の切ない気持ちが、痛いくらいに伝わってきました。

はたして嘘で繋がれた二人の関係の行く先は?
少し不思議で、切ない青春小説です。

★★★ Excellent!!!

あらすじの書き方が上手で、興味を惹かれて読み始めました。
一般的な恋愛物語かと思っていたら、後半に良い意味で裏切られたように感じました。
丁寧に創られていて、素晴らしいと思います。
また、不器用だけど、秋葉のことを大事に想っての夏彦の行動はとても胸が打たれました。
思わず、感情移入してしまうような、繊細で、素敵な物語をありがとうございました。

★★★ Excellent!!!

「嘘」とは、一体どういう意味があると思いますか?

ついていい嘘、ついてはいけない嘘。
種類も様々で、物語には決して必要不可欠なものでもあると私は思います。

主人公である男の子、夏彦。
もう一人の主人公の女の子、秋葉。

夏彦は、ある日こんな約束をする。
一日一回、秋葉に対して「嘘」をつくという決まりごと。

秋葉は嘘は嫌いだが、当然何故夏彦が「嘘」をつくのか疑問だったが、その決まりが何年か続くのですが、その嘘はとても、とても……な嘘だったのです。

真実を見たとき、あなたは「もし、自分ならどうするだろう?」と、考えることになるかもしれません。

優しくて、想いが溢れて、秋葉に対する夏彦の想いがとても繊細に描いている作品です!

★★★ Excellent!!!

企画で読ませていただきました。

文体がとても美しく、特に情景描写が素晴らしいと感じました。
夏彦が嘘をつく理由、何でだろうと気になってどんどん物語に引き込まれていきました。また、二人の心の機微も繊細に描かれていて、読んで良かったなと思いました。

強くお薦めしたい作品です!

★★ Very Good!!

うそつきはドロボウのはじまり!

まさに、その通りですね。

平気で嘘をつけるように
なってはいけません。

自然と嘘をつけるようになると、
自分のことも騙せるように
なってしまいます。

相手を騙し。自分も騙し。
本当の思いさえも、言えなくなる。

だから、嘘をついてはいけません。

それでも…………一回だけでも、
嘘をつきたくなったのならば。

『秋風が吹いたら』を
読んでみてください。

あなたも嘘をつけなくなるでしょう。

もしも、あなたに大切な人が
いるのなら…………その思いを
素直に伝えてみませんか?

★★★ Excellent!!!

何気なく始まる二人の関係
最初は丁寧な描写にしか目が行きませんでしたが、読み進めるにつれこの世界観にはいりいこんで行き、最後には目頭があつくなる展開になって、すばらしい作品をありがとうございます!と心からお礼申し上げたい。

★★ Very Good!!

 夏彦の秋葉への感情がすごく気になる。彼は、一体何を思って嘘をついているんだろう。
 そもそも、夏彦は何故嘘をつくのだろう。しかも、時折混ざる嘘が未来を知っているかのようなのは、秋葉を守っているようなのは一体どういうことなのだろう。

 二人の関係が今後どうなるのかが分からない。だからこそ、見ていて楽しい。
 作品はまだ夏の最中。夏が終わり、秋風が吹くようになったら、二人の関係は何か変わっているのだろうか。

 続きが気になる作品である。