彼が嘘をつき続ける理由とは?

小学生の頃、友達の夏彦から苦手なタイプを聞かれた秋葉が答えたのは、嘘をつく人。
するとそれを聞いた夏彦が言った意外な言葉。
「それなら明日から、一日一回、秋葉に嘘をつく」

夏彦は決して、秋葉に嫌われたいわけではありません。むしろ大好きと言ってもいいくらい。
では何故わざわざこんな事をするのか。それがこの物語の肝となってきます。

そして時が過ぎて、高校生になった二人。あの日以来、嘘をつき続けている夏彦と、そんな夏彦に淡い想いを抱く秋葉。だけとも二人の距離は、だんだんと開いていきます。

なぜ毎日嘘をつくのかと言う謎も見所ですけど、もうひとつ、キャラクターの心理描写も、この作品の大きな魅力。互いに惹かれあっているのに、心の距離に悩み、苦悩する二人の切ない気持ちが、痛いくらいに伝わってきました。

はたして嘘で繋がれた二人の関係の行く先は?
少し不思議で、切ない青春小説です。

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