天解けの露

白崎夜兎（しろさきやと）、享年19。20歳になる一月前に病床で息を引き取った。

ありがたいことに両親はその瞬間を看取ってくれた。だが罪悪感と後悔が死の淵に付きまとう感覚も確かにあった。

目覚めた瞬間には真っ暗な森の中。風の音も、獣の気配も感じない不気味な森。天国とも地獄とも判断がつかない場所で自分がどうなったのかもつかめない。

だが一つだけわかることがある。それは俺が人外になったこと。自分の知る知識に収めるならばそれはスライム。ただし全身銀色に染まったロイヤリティーを感じるスライムだった。

これはスライムになった青年が、前世での後悔を晴らすべく人々が住む世界で善行を重ねる物語。

※本人はスライムと勘違いしていますが、実は別の生き物です。