不思議な雰囲気を漂わせている短編。「死」と「声」という、一見関係ない二つをテーマする発想、面白いです。深い話でした。
彼女の前にやって来た「死」は彼女を求め、彼女もまた、やって来た「死」に心奪われます。はたして死とは悲しいものでしょうか。恐ろしいものでしょうか。もちろん、その通りだとは思います。ですがこの世の中には、それとはまったく違った形で死を求める人もいるのかもしれません。不思議な雰囲気の、考えさせられるお話でした。
夜中に目を覚ました少女に、語りかけてくる不思議な侵入者。怖いけど、聞こえてくるその声を美しいと感じる少女。そして侵入者もまた、少女の声に魅了されていた。ネタバレになるので書けませんけど、侵入者の正体に驚きました。ジャンルはホラーですけど、恐怖と言うよりも、不思議な雰囲気で深みのあるお話。読み終わった後、『 「死」が望む「声」』と言うタイトルが実に合っていると思いました。冷たい感じがするけど、綺麗なお話。結末をどう捉えるかは人によって意見が分かれそうですけど、自分はハッピーエンドだと思います。
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