概要
愛はなんにも解決してくれない、それでも。
【淅瀝(せき-れき)】①雨雪や風の音。②落葉の音。③寂しいさま。(広辞苑 第六版)
兄に嫁いできた美人の義姉とその連れ子、《なあ》。
栗色の髪と灰の瞳の少年は、家族経営のスーパーで支え合いながら暮らしていた舞生の家族を
一目で魅了した。
仔猫がじゃれ合うような姉弟のまじらい、あたたかでおだやかな家族の営み。
しかし、大学進学のための独立から歯車が狂い始める。
家族、未来、執着と恋。惑う子供達の20年の漂泊。
愛はなんにも解決してくれない、それでも。
文体はスルスルと読めると定評がありますが、途中すごく重くなります。
最後の光までお付き合いいただけますように。
完結済
同人誌版 2015.10.10 A5判 94ページ
2018.01.01 文庫判 228ページ 書き下ろし有
兄に嫁いできた美人の義姉とその連れ子、《なあ》。
栗色の髪と灰の瞳の少年は、家族経営のスーパーで支え合いながら暮らしていた舞生の家族を
一目で魅了した。
仔猫がじゃれ合うような姉弟のまじらい、あたたかでおだやかな家族の営み。
しかし、大学進学のための独立から歯車が狂い始める。
家族、未来、執着と恋。惑う子供達の20年の漂泊。
愛はなんにも解決してくれない、それでも。
文体はスルスルと読めると定評がありますが、途中すごく重くなります。
最後の光までお付き合いいただけますように。
完結済
同人誌版 2015.10.10 A5判 94ページ
2018.01.01 文庫判 228ページ 書き下ろし有
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!怪物に愛された。
兄の結婚相手には連れ子がいた。「なあ」と呼ぶことになる彼は、人を虜にする魅力を備えていた。小動物を可愛がるように接し、愛しく思う「まお」。大好きだからずっと一緒にいようという、幼い頃の子供じみた約束。その約束は互いが成長し、将来を考える折に牙を剥く。
凄まじい小説です。なあとまおの関係をこじらせ、取り返しのつかないところまでもっていったものは「好き」という感情であり、その意味の違いだけで「誰が悪い」と断ずることはできません。なあが独善的な「好き」を押し付けることも彼のバックボーンを考えれば……という部分もあるし、だからこそなあを突き放せないまおの気持ちも理解できます。そういったしがらみ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!二人だけの「あいのかたち」
読後に一息をつく。主人公達のまおとなあに、良い意味で振り回された作品でした。
主人公である舞生と夏生は、誰かの「あいのかたち」を求めて、ときに一緒に、ときに離れながらも探しているように思えた。
家族に理解されず、幼い二人は、ゆがみ、歪んでゆく。
そこに救いはなかった。
***
「淅瀝の森で君を愛す」の世界を大きく構成する要素を上げるなら、やはり子供への虐待ではないだろうか。
この物語では、虐待を受けた人の傷は、全く癒えることはない。ある意味リアルに描かれているように思う。
甥っ子である「なあ」は母親より、日常的に虐待を受けていた。生きることを名目にして、母親に利用されていた。
そんな…続きを読む