「和風/平安ファンタジー」を含む小説

滅びし血を護るため、左大臣・実房（さねふさ）は、愛しき娘たちを次々と政の駒として輿入れさせた。 そして、白銀香殿（はくぎんこうでん）――香と筆の雅を湛えたその場に、一人の宮を匿い…

平安の里、藤の木の下で、病弱な葵は和歌を詠み、直継と愛を誓う。母・佐和の教えと神官・惟宗の啓示が、藤の聖木に魂を宿す。葵は紫苑となり、清隆と悲恋を重ね、来世を約束。現代の京都、詩…

物語の狭間から、短歌が生まれた。 三十一文字が導くのは、千年の時を超えた問い。 これは、もうひとつの貌《かお》——美しき影。 ⸻ 小説を書く中で、思わず溢れた三十一文字（み…

雅やかなる平安京の深奥に閉じ込められた、少納言家の姫君、小夜。決められた未来と閉鎖的な貴族社会に息苦しさを感じていた彼女の心に、未曽有の疫病が蔓延する都の惨状が、新たな光を灯す。…

「怨霊？　雷神？　天満大自在天神？　いやいや、違いますよ奥さん――」 平安の世、唐と新羅と渤海が三つ巴の情報戦を繰り広げていた時代、日本の命運を背負った一人の男がいた。 その…

いずれの御時にか、近衛大将が清涼殿を焼く事ありけり。 ──帝の即位時に起きた火災は龍に救われた。しかし、その帝の治世の終わりに旱魃が京の都を襲う。 高僧のお告げでは「龍呼ぶ妃」が…

　鬼を静める異能で、帝を護って来た紀氏は、近年、異能を持たずに生まれる子ばかりで、滅びの一途を辿っていた。 　千鳥（ちどり）は異能を持たずに生まれたが、宮中に上がることになる。…

あやかしと駆け落ちしたいお姫様と、そんなお姫様に片想いしている従者の話。 一万三千字程度の短編ですので、もしよろしければ。 平安和風ファンタジー主従ものです。 今回は狐です。

裳付姿の僧侶とは仮の姿、唐国渡りの不老不死の仙人道登は、恵満という男に請われて八幡の地を訪れていた。水害で流された八幡と山崎を結ぶ大橋の普請にて、人足の男が次々と行方知れずになる…

《あらすじ》 平安時代初期、小野篁という若者がいた。身長は六尺二寸（約１８８センチ）と偉丈夫であり、武芸にも長けていた。そんな篁はあることがきっかけで勉学に励み大学寮の文章生とな…

カクヨム10　【エンタメ総合部門】エントリー --------------------------- 　ときは平安時代――、内裏内を護る、近衛府は左近衛府中将・藤原征之は、顔も血…

◇おにのとうりょうとたまかけのみこ◇ この国の大地には、負の感情が沈澱する。それが凝縮すると鬼孔（きこう）が生じ、人食い鬼が這い出てくる。 人の地を守るため鬼と対峙するのは、…

女性に興味がなくて和歌一筋だった貴晴（たかなり）が初めて惹かれたのは大納言（上級貴族）の姫だった。 だが貴晴は下級貴族だから彼女に相手にされそうにない。 そんな時、祖父が話を持ち…

俺の名前は「御門 万平（みかど まんぺい）」現在22歳ってか。 俺は一般男子よりかなりスケベだと自負している。 だけどまだ童貞・・・頭の中はスケベで渦巻いてるけど行動がともなっ…

　豊葦原中国を統べる狼の皇子である青星は、七歳になり、真神の社を訪れる。そこでは、先祖の姿に化身できない代わりに、神々の声を聴く巫子が仕えていた。 　初めての都の外に、好奇心を抑…

由夢(ゆめ)は当年取って二十歳。 ある日に、不思議な夢の世界に来ていた。 由夢は戸惑う。 そんな彼女の前に現れた一人の男がいたが？

貴族が栄華を誇る時代。貴族の娘、芦原時子(あしわらのときこ)はある夜鬼と出会う。話をすると、どうやら鬼は陰陽道に詳しいようだ。 そこで時子は鬼に頼む。父親の病の原因を突き止めてく…

「しゃーねえなぁ。仕事中毒の陰陽師に行き当たっちまったのが運の尽きだと思って諦めるか」 「ふん、たまには徳を積んどけよ」 本来とはほんの少し違う歴史をたどった、平安の時代。 京…

『七天の神子〜高校生、平安京に立つ〜』の短編集です。本編には入れられないけど書きたかったor書いてしまった話を乱雑に詰め込んであります。ほぼ完全に自己満用です。

　時は平安。東洋の島国・日凪（くさなぎ）で暮らす明璃（あかり）は、都で評判の陰陽師・古瀬卯京の邸で見習いをしている。変わり者で有名な師匠の無茶振りと過保護に振り回されつつ、忙しく…